Harbeth HL Compact 7ES-3の簡単レビュー
メーカー様より、ハーベスのスピーカーを5機種お貸し出ししていただきましたので、順番に簡単レビューをさせていただきます。
今回で第四回目となります。前回はMonitor 30.1のレビューをさせていただきましたが、今回はHL Compact 7ES-3をご紹介させていただきます。
形、サイズがMonitor 30.1とHL Compact 7ES-3ではそっくりですので、ネットを装着した状態での判別は、ぱっと見ただけでは難しいです。
このHL Compact 7ES-3は前回までのBBCモニター系のスピーカーとは違い、音楽をより楽しく聴かせようとするスピーカーです。
「ハーベス・ハウス・サウンド」と呼ばれるナチュラルなハーベス伝統の響きがします。
大きさも手頃なサイズ感で、セッティングが一人でも行いやすいです。
HL Compact 7ES-3のルーツは、1987年に発売されたHL Compactの最新モデルで、ハーベス創業者のダッドリー・ハーウッド氏からバトンタッチされたアラン・ショー氏の手によってこれまで何度か改良されております。
エンクロージャーはただ単に薄くして鳴らすのではなく、音のふるまいをコンピューターで徹底的に解析し、ビチューメンとブレーシングを効果的に配置して、絶妙にダンピングをして音を整えています。
Monitor 30.1とHL Compact 7ES-3のエンクロージャーを比較すると、前者はコツコツとした響きを少し抑えた鳴り方でしたが、後者は叩くとコンコンと軽やかに響きます。
響きの美しさを追求した音造りですね。
試聴に使用したのは下記の3曲です。
・ルカ・ファンフォーニ指揮 レアーレ・コンチェルト/ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲集「和声と創意の試み」作品8 四季 第一番ホ長調「春」
・We Get Requests / The Oscar Peterson Trio / You Look Good To Me
・Eagles / Hotel California / Hotel California
四季ではヴァイオリンのスリリングな表現はMonitor 30.1に一歩譲るものの、ハーモニーの美しさはHL Compact 7ES-3の方が一枚上です。ふくよかで豊かな響きですが、ネガティブなイメージはあまり感じられません。
オスカーピーターソンでは、まとまりよくトリオの雰囲気を醸し出します。個々の楽器を一つ一つ「見せる」ようなサウンドではなく、音楽をおおらかに雰囲気よく再現する傾向です。
ホテルカリフォルニアは、不足感のないバランスで鳴り、情緒的に再生してくれました。冒頭のギターが特に美しいです。
HL Compact 7ES-3は、音楽をリラックスして心置き無く愉しめるスピーカーです。オーディオ的なことを考えず、音楽に没頭出来ます。
毎日聴いても胃もたれの少ない、優しいサウンドです。
Harbeth HL Compact 7ES-3の詳細は下記のHPをご覧ください。
・Harbeth/スピーカー/HL Compact 7ES-3(ペア)