永遠不滅のブルーバッフル「JBL 4344と4344mk2 」
今日のオタイオーディオのブログは普段とは一味違う内容でお届けします。
オーディオを追求する上で、忘れてはならないのは歴史や伝統です。歴史なしでは、オーディオに対する理解は深まりません。
そこでいきなりですが、今日からオーディオの歴史をスタッフが学びつつ、読者の皆様にも再発見や新発見をご提供出来るよう不定期にですが、オーディオの歴史に残る名機や出来事を紹介していきます。
今回のテーマは「JBL 4344と4344mk2 」です。
好き嫌いがはっきりと分かれるスピーカーですが、オーディオ機器らしい見た目と音を体感出来るスピーカーだと感じましたので、チョイスしてみました。
写真は全てステレオサウンド122号から拝借致しました。
上の写真は4344です。
4344はデビュー当時から各方面で注目を浴び、前作の4343の大ヒットとも相まって導入される方も多かったようです。
無印の4343のときはユニットのマグネットが全てがアルニコでしたが、材料の原産地での紛争の影響から供給が難しくなり、徐々にフェライト磁石へと変化して4343Bになり、1982年に4344へと変化していきます。
4344の初期型ではツイーターとコンプレッションドライバー以外がフェライトマグネットを使用しておりましたが、後にすべて全ユニットがフェライトマグネットになります。
ここでアルニコ派とフェライト派に好みが分かれますね。
4344ではウーファーとダクトの位置が4343より高くなっておりますので、家庭では鳴らしやすくなっております。
また、コンプレッションドライバーの固定方法やエンクロージャーの強度などにも手が加えられており、さらに磨きがかかっております。
こちらは97年頃に登場した4344mk2です。
4344と4344mk2ではツイーター以外のユニットが大幅に変更されました。
ウーファーは2235HからME150HSとなり、ミドッバスがロールエッジの2122Hから波形エッジの2123H、ドライバーが2426Hからチタン製ダイヤフラムの275Ndへとなり新時代の録音への対応力を高めました。
下の写真は4344と4344mk2のレイアウトを比較したものです。上部が4344mk2で下部が4344です。ユニットの距離や音響レンズの固定方法が異なりますね。
ただ、4344mk2が発表されてからも4343や4344を好む方も大勢いらっしゃいますので、この辺りは新しいものが良いと断言出来ないところでもあります。
年を追うごとにワイドレンジ化が進み、様々なソースへの対応力が広くはなりましたが、「ゴリッ」とした厚みは反比例して薄くなっていってしまう傾向にあると感じます。
4344も4344mk2も歴代の43シリーズと共通してアンプ選びが非常に重要です。
レビンソンやクラウンで締め上げる方法や、マッキンや管球式で朗々と響かせる方法など様々あり、使い手によって全く違うキャラクターの音になります。それだけ敏感なのは、スタジオ・モニターとしての性格故でしょうか。
思いっきり鳴らし込まれている方は総じて、バイアンプやマルチアンプでドライブされている場合が多いですね。
4344、4344mk2は気難しいかもしれませんが、それだけ多くの可能性を秘めた多様性あるスピーカーとも言えます。
数年前まで国内に良質な中古がゴロゴロしておりましたが、いまではアジア圏に大量に流れてしまいタマ数が少なくなってきました。手に入れられるなら今が最後のチャンスではないでしょうか。