FRANCO SERBLIN 『LIGNEA』(フランコ・セルブリン リネア)を堪能
こんにちは。オタイオーディオ林田です。
イタリアのブランド「フランコ・セルブリン」から、2017年12月発売のスピーカー『LIGNEA』を聴いています。
本製品は、創業者故フランコ・セルブリン氏が残した『LIGNEA』のスケッチを基に、継承者のマッシリミアーノ氏が数年を費やして完成させたデビュー作ということで、以前から同ブランドを知っている世界中のオーディオファイルから非常に注目されています。
スピーカースタジオの情熱。リネアの設計
まず魅力の一つとして、その印象的なデザインが挙げられます。
リネアは、キャビネットに平行面がなくなるよう、緻密に計算され造られています。
その材質である「Tiglio」という木材は、日本では菩提樹と呼ばれる音響特性の良い素材で、これを複雑に加工し組み上げることによって、優雅な曲線を表現しているんですね。
ちなみに「菩提樹」でピンときた方、正解です。シューベルトの歌曲集『冬の旅』の中でタイトルになっています。
(厳密には品種が違うようですが)
こういった音楽的なワードの繋がりには、なんだか一方的にロマンを感じてしまいますね。このスピーカーで菩提樹を聴いてみたいです。
ユニットと仕様
ツイーターには27mm 径の伝統的なシルク・ソフトドーム型ツイーターがホーン形状のバッフルに装着されています。 ウーファーには特殊加工が施された110mm径のカスタムメイド・ユニットが採用されており、いずれもスカンジナビアのドライバ・ユニットメーカー製となっています。
- クロスオーバー周波数 2kHz
- 周波数特性 58Hz~36,000Hz
- 出力音圧レベル 83dB (1W/1m)
- 公称インピーダンス 8Ω
- 最小出力 20W
- 外形寸法 幅 500×全高 1050×奥行 295 mm
- 重量 16kg/本
- シングルワイヤ端子
試聴した所感など
スタッフでミニ試聴会を行いましたので、それぞれのコメントを抜粋しました。
- 「美術と音響の融合で、文字どおりひとつの芸術品として成り立っている。特に弦楽器のニュアンスに秀でた、格式の高さを感じ取れる」
- 「ブランドのセンスが集約されている。中高音の美しさは作為的なチューニングというより、工房の環境や製作者の感性そのもの。いわば土壌の豊かさから成る産物といっていいかもしれない」
- 「はじめにセッティングしているときは、筐体がイメージしていたより小さいなという印象。それでブックシェルフのサウンドを想像していたが、鳴らしてみると全く違った。その音場の豊かさはもとより、低音が前に出すぎることはなく、高音も機械的ではない、ソプラノ歌手のような血の通った歌声のように響く。」
- 「特に弦楽曲の表現・美しさがやみつきになる、上品な鳴り方。スピード感のあるハードバップやラテン・ジャズのように賑やかな楽曲よりは、コンチェルトやスロージャズがよく合う。デザインや大きさを考えると、リビングに設置してそういった音楽を優雅に楽しむのに最適。」
皆様はこの『LIGNEA』の魅力をどう感じるでしょうか。