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【これはデジタル/クロックの革命児だ!】MUTEC マスター・クロックジェネレーター「MC-3+USB」 徹底試聴レビュー!

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MUTEC マスター・クロックジェネレーター「MC-3+USB」でデジタル/クロック変換を楽しむ!

 

 

毎度お世話になっております!オタイオーディオのオレンジです。

 

今回はマスター・クロックジェネレーターとDDコンバーターの機能を併せ持つMUTECのクロックジェネレーター 「MC-3+USB」のご紹介です。

 

非常にマニアックな内容で、どちらかというとデジタルに強いベテランオーディオフリーク向けになっておりますが、使い方や音質をメインとしてご説明させいただきますので、是非最後までお付き合いください!

 

製品の詳細は「こちら」から

 

 

 

 


MUTEC マスター・クロックジェネレーター「MC-3+USB」とは?

MUTEC社はドイツのベルリンで1989年に設立された、デジタルシグナル・プロセッサーの開発メーカーです。

大手音響メーカーへの業務用機器の開発および供給を皮切りに、2000年以降は独自の技術を基に高精度なマスタークロック・ジェネレーターの製造を開始しました。

サンプリングレート・コンバーター、クロックシグナル・ディストリビューターなど音響に不可欠な製品を多岐にわたり世に送り出しています。

そのMUTECのノウハウと技術が凝縮されて開発された製品がマスター・クロックジェネレーター兼DDC「MC-3+USB」なのです!

 

 

 

 


「MC-3+USB」にはどんな機能があるの???

大きく分けて3つの機能が「MC-3+USB」にあります。

 

◆(マスター)クロックジェネレーターとしての機能

クロックジェネレーターとは44.1kHz、48kHz、96kHz、174kHz、192kHz等のデジタルクロックを発生させ、オーディオ機器に供給するための装置です。

正確なデジタルクロックをオーディオ機器に供給することで、音質の向上が可能となります。

 

「MC-3+USB」は高精度な1GHzの内蔵クロックを用い、ワードクロック入力を持っているオーディオ機器へデジタルクロックを供給できます。

 

また、OCXOやルビジウム発信機などの超高精度10MHzのクロックと「MC-3+USB」のクロック入力端子をBNCケーブルで接続することで、より正確なクロックが生成できる高精細なマスタークロックとして活用することも可能です。

 

 

 

◆DDC(デジタル・デジタル・コンバーター)

USBやS/PDIFからの入力されたデジタル信号を、AES/EBUとS/PDIF(光・同軸)のデジタル信号で出力することが可能です。

 

さらに!USB入力がないDACやデジタルプレイヤーに、パソコンやDELA/Fidata等のUSB出力ができる機器を接続することが可能となります。

 

 

 

◆デジタル信号のリクロック機能

「MC-3+USB」最大のセールスポイントである機能です!

 

USB、AES/EBU、S/PDIFから入力されたデジタル信号を、内蔵された1GHzクロックや10MHzの外部クロックを用いて「リクロック」しデジタル信号として出力することが可能です。

 

クロック入力の無いCDトランスポートとDACの間に「リクロック」された信号を用いることで、音質の向上が可能です。

また、ハイレゾ再生で主流のDSDファイルや96kHz、192kHz/24bitのPCMファイルを「MC-3+USB」の内蔵クロック、外部クロックに同期して「リクロック」することも可能となります。
※DSD信号はPCM信号に変換されて出力されます。

クロックジェネレーターとDDCの機能を併せ持った「MC-3+USB」だからこそ出来る優れた機能です!!!

 

 

 

 

 


USB DACの無いネットワークプレイヤーとの接続試聴

まずはネットワークプレイヤー兼DACであるLINN Klimax DSMとDELA N100を接続してみます。

 

▼システム一式

 

本来であればLINNのKlimax DSMにはUSB入力ができないため、DELAのN100のUSBデジタル出力は当然接続できません。

また、Klimax DSM、N100ともにクロック入力端子はありません。

 

そのため「MC-3+USB」のリクロック機能とDDC機能が大いに役に立ち、音質向上が図れると考えてこのシステムにしました。

 

 

 

試聴には宇多田ヒカルのFantomeより「道」を選曲しています。

▼① まずはN100をNASとしてLINNにネットワーク接続して試聴します。

いつも聴いている音質のため非常に安心して聴くことができました。

LINNのDSらしく、音楽性高く繊細で空間の描写も素晴らしいです。

特に大きな不満もなく試聴は終わりました。

 

 

 

▼② N100からUSB出力し「MC-3+USB」を経由して、Klimax DSMにS/PDIF接続します。S/PDIF信号はリクロックされています。

 

まず音が出始める前の無音時に素晴らしいS/Nの高さを感じることができました。

その静寂から一気に弦の響きが広がり、ドラムのスネアやバスドラムの音がはっきりと聞こえ、その音楽性高い空間に驚かされます

高域の解像度は高く、宇多田ヒカルのヴォーカルの表現が大変クリアで生々しいです。

 

この時点で1Ghzの高精度内蔵クロックの素晴らしさ、必要十分とさえ感じさせてくれる説得力の有る音でした。

 

音調はLINN DSの音楽性と繊細さに加えて、優しさが合わさった感じを受けました。

 

 

 

▼③ 接続経路はIIと同じですが、クロックに外部クロックである「CG-10M」を利用しています。

内部クロックで感じる事のできたS/Nの高さに加え、前後左右に空間が広がった事を感じます。

そして響きがとにかく素晴らしいです。

楽器が響き合ってハーモニーを形成し、分離感があるのに音がまとまっているという不思議な感覚を覚えました。

 

ずっと聴いていたい思いにさせてくれる、素晴らしく良い音質でした。

 

 

 

 

 


USB入力、ワードクロック入力の有るDACにCDプレイヤーを接続して試聴

USB入力、ワードクロック入力の有るMYTEK Manhattan DAC IIにTRIODEのRUBY-CDを接続してみます。

 

▼システム一式

 

せっかくUSB入力のあるDACですが、ここではあえてCDプレイヤーをデジタル接続して「MC-3+USB」の底力を垣間見たいと思います。

また、Manhattan DAC IIにはワードクロック入力が有りますので「MC-3+USB」のクロックジェネレーターの機能も番外編として試してみます。

この試聴にはオレンジのリファレンスであるCHMISTRYのthe way we areより「合鍵」をチョイスしました。

 

 

 

▼壱 まずはRUBY-CDからManhattan DAC IIにS/PDIFで直接接続して音質を確かめます。

 

いつもと変わらず良い音で鳴っています。元気よくハツラツとした音調です。

今後どのように音が変化していくかに期待!

 

 

 

▼弐 RUBY-CDから「MC-3+USB」を経由してManhattan DAC IIに接続します。デジタル信号は内蔵クロックによりリクロックされています。

 

一聴して音が前に出てきて迫力が増しました。

音の傾向としては先程お伝えしたIIと同様で、内蔵クロックによるリクロックが効いているのだと思います。

また、DDCの変換精度が高いためか、①のManhattan DAC IIに直接入力するのと変わらない質の高い音です。

 

 

 

▼参 接続経路は②と同じですが、CG-10Mの外部クロックを利用しデジタル信号をリクロックしています。

 

非常に厚みのある音に変わりました。

高域の響きが素晴らしく、CHMISTRYの特徴であるヴォーカルのハーモニーが伸び伸びと聴こえてきます。

低域は沈み込み、前に出てくるほどの迫力を感じます。

また、空気の密度感が絶妙で非常に高いレベルの音楽性になっています。

音質は暖かく大変聞きやすくて耳障りの良い音になっていると思います。

 

正直なところ定価60,000円のCDプレイヤーとは思えず、数ランク上のデジタルトランスポートでハイレゾを再生しているようです。

 

 

 

▼【番外編】クロックの経路ですがマスタークロックのCG-10Mから「MC-3+USB」を経由してManhattan DAC IIのワードクロック入力に接続します。RUBY-CDは①と同じくManhattan DAC IIに直接接続します。

 

この組み合わせを聴くまでは③と同じ音質だと思っておりました。それは、クロックはCG-10Mを利用しているからです。

ですが再生をスタートして驚きました!予想に反して音質が違います!

③では迫力があり音の温かみがありました。それは薄れましたがS/Nが上がり、ヴォーカルや弱音の明瞭度が上がり、よりクリアに聴こえてきます。

 

おそらくこれは基準となるDACのクロックまでがCG-10Mになったため、音質が大きく変わったのだと考察します。

 

単純な音の良し悪しではなく、これは好みの問題と捉えることが出来るほどの変わりようでした。

 

 

 

 

 


すべての試聴を終えて

今回の試聴を通して感じ取れたのは、クロックの「重要性」「確かなる効果」です!

 

「MC-3+USB」の1GHz内蔵クロック、CG-10Mのマスタークロック共に音の変化は圧倒的で大変素晴らしかったです。

Klimax DSMとManhattan DAC II共にクロック変更時の音の違いは同じように感じられましたので、皆さんにも同様に高い効果を感じていただけるのではないでしょうか。

また、今回外部クロックにはルビジウムのマスタークロックであるCG-10Mのみでしたが、OCXO等のマスタークロックに変える事で音調や音質を変えることも可能です。

クロック入力のあるオーディオ機器はそんなに多くはないですが、デジタル入出力を持つ機器は多いと思います。

 

今回のご提案として「単純に高性能なクロックジェネレーターやDDCが欲しい」「クロック入力は無いもののクロックによる音質向上に興味がある」「DACにUSB入力が無いが、PCオーディオや高品位なNASを接続してハイレゾを楽しみたい」「高品位なデジタルプレイヤーやDACを既にお持ちである」といった場合におススメできる製品ではないでしょうか。

 

MUTEC マスター・クロックジェネレーター「MC-3+USB」でデジタル/クロック変換を楽しんでみまよう!

長くなりましたが最後までお付き合いありがとうございました!

 

 

↓製品のご紹介はこちらから↓
MUTEC/マスター・クロックジェネレーター/MC-3+USBのご紹介