OTAIRECORDえんどうです。
今年(2024年)の秋、DJ機材・作曲機材の新作がすごい勢いで発表されています。
DJ機材の新作や後継機、往年の名機の新バージョンなどなど新旧共にいろいろな機材が発表されてどれも話題になっているのですが、今回「コンパクトモニタースピーカー」に焦点を当ててみようと思います。
というのも先日発表されたのがこちら
ADAM AUDIO / D3V
これもめちゃくちゃ話題になってますね。中でも、オタイレコードにも僕個人にも「”あのスピーカー”と比べてどうなの?」というお問い合わせを多くいただきます。
誰でも大きなスタジオを持っているわけじゃないし、ここ1,2年でコンパクトモニタースピーカーの需要がかなり増えてきていて、各メーカーさんがこぞって開発しているんですが、「どれも大きさも価格帯も大体一緒っぽいし、結局どれがいいの?」状態になっているんですよね。僕自身が。
なので今回ADAM AUDIO D3Vが発売となったいま、白黒はっきりさせてしまおうじゃないか!という企画です。
今回比較するのは
・YAMAHA / HS3
・ADAM AUDIO / D3V
・KRK / GoAux3
・IK Multimedia / iLoud Micro Monitor
(写真左から順に)
の4機種です。本当は他にも比べてみたいのですが種類が多すぎてキリがないのでサイズ感が近い4機種を選びました。
それぞれの特徴
実際に聴き比べた感想や製品仕様をもとにそれぞれの特徴をまとめました!
まずはじめに聴いた瞬間、「あ、これめちゃくちゃいい。」と思いました。
さすがADAM Audioのリボンツイーターといったところで、高域を中心に音の解像度が非常に高く、音がくっきり聴こえる印象です。
正直低域のパンチが弱いかなと思いましたが、このサイズ感であれば妥当ですし、フラットな音作りであるともいえます。
スペックを見ても周波数帯域をみたらD3Vが一番広かったので納得の音質という感じですね。
他の3機種より優れてるなと思ったポイントは、やはりインターフェース内蔵でPCとUSBケーブルで接続してPCの音声をそのまま出力することもできてしまう点です。
しかも付属のUSBケーブルがType C – Type CとType CからAに変換するプラグもついててめちゃくちゃ気が利いてます。
他にも卓上用のスタンドの脱着が可能、スタンドをつけない時はゴム足をつけて振動対策もバッチリ。とにかく隅々まで気が利いてる!
この価格であれば充分すぎる音質、機能、付属品です。めっちゃ気合入ってるなと感じました!
もともとこのサイズのスピーカーシリーズの中でもトップクラスの人気を誇る機種です。
改めて聴いてみて、やっぱりめっちゃいいです。このサイズ感でこの音質なの意味が分かりません!笑
第一印象はやはり「低域がパワフル」ですね。今回の聴き比べた機種のなかで唯一バスレフが前面についているからですかね。(バスレフとは、超ざっくり説明するとスピーカーに開いている穴で、スピーカー内で反響する低音をその穴から放出することで低音を増幅させる効果があります。)
中域、高域も含めて全体的に力強い音で個人的にこれが聴いてて一番楽しいなと思いました。
音質以外のところでいえばサイズがとにかくコンパクト。今回聴き比べた4機種の中でも本体サイズは2番目に小さくカバンに入れて持ち運びやすいです。
自宅以外でもDTMできちゃうのはうれしいポイントですよね。友達の家にiLoud Micro MonitorとPCを持っていって一緒に曲を作ったりとかできそう!
角度調整がスタンド取り付けタイプじゃなくて本体に折りたたまれてるのもコンパクトでポイント高いです!
D3Vのようにインターフェースは内蔵していませんがBluetooth対応していて使い勝手もかなりいいですね。
KRKと言えばオタレコでもRokitシリーズ、Vシリーズがめちゃくちゃ人気ですね。
KRKのスピーカーは太いサウンドが特徴で人気があるのですが、GoAux3もKRKブランドにふさわしいサウンドになっていました。
もちろんサイズが小さい分、上位のモデルと比べると劣ってしまいますが、それでもサイズ感を考えると十二分といったところです。
低域の出かたがパツパツしていなくてゆとりがある印象でしたが、仕様を見てみるとクロスオーバー(ウーハーとツイーターをそれぞれどの音域まで鳴らすかの境目の数値)が一番低く、つまりできるだけ高い音はツイーターに任せてウーハーは低域を鳴らすのに集中させようという設計になっていました。で、ちゃんとツイーターも大きめに設計されていてなるほどな~と思いました。
仕様だけ見比べてもそこまで大差ないかな…?と思っていましたがこうやって聴き比べてみるとやっぱり全然違いますね。
音質もさることながら、ポータブル性も非常に高いです。というのもGoAux3には専用のキャリングバッグが付属しています!完全に持ち運ぶ前提で販売されています。
キャリングバッグの中はクッション性も高く安全にスピーカーを持ち運ぶことができます。
また卓上用スタンドも付属していて、なんと角度調整までできるという本気っぷり。持ち運びもセッティングどちらも完璧です!
GoAux3もBluetooth対応で普段使いもOK!
(GoAux3だけカラーがブラックのみで愚直な感じが個人的には好きです…)
超定番スタジオモニターYAMAHA HSシリーズの末っ子HS3はスタジオモニターらしいとにかくフラットで癖のない音質でした。
他の機種同様、上位モデルと比べてしまうとどうしても劣ってしまいますが、スタジオに実際に置いてあるようなHS8,7系統の音質を手軽に自宅に導入できる点はかなり信頼度高いです。スタジオで録音していたものを自宅に持ち帰って聞いてみたら全然違うものになってると作業がしづらくなってしまいますからね…。
プロの人はそういった環境の変化にも適応できると思いますが僕の様な素人からすると結構重要だったりします。
他にHS3の強いポイントは入力系統の多さです。他の機種はどれも1,2種類ほどですがHS3はRCA(テレビとかに繋げれる赤白)、フォン(ギターのシールドと同じ形の太めの端子)、ミニステレオ(イヤホン端子)、キャノン端子(マイクケーブルとかのいわばプロ用端子)の4種が対応していますので様々な機種・シチュエーションに対応しています。この小ささにこれだけ詰め込めるのはYAMAHAさんの技術力の結晶ですね。
あとはHS3は本体が若干大きく設計されているので、電源アダプターがない(正確にはスピーカー内部に入っている)ので電源周りの配線がとってもスマートです。
ポータブル性には欠けますが、PC周りはなにかと配線が多いのでアダプターがないのはかなりうれしいですね、よく考えられてる!
これもHS3だけの特徴なのですが、スピーカー同士をつなぐケーブルが専用のケーブルではなく、+と-の線なので別売りにはなってしまいますが自分の好きな長さに調節ができます。スピーカーケーブルが足りなくていい場所に設置できなかったり、逆に長すぎて配線がダルダルになってしまったりがなくなります。
音質も細かいつくりや仕様もとても堅実に作られており、YAMAHAさんらしい製品でした。
じゃあ自分にはどれが合っているのか?
それぞれの製品の特長は分かったけど、じゃあどれ買えばいいの?という声が聞こえてきそうなので先にまとめちゃいます!
・DJ向き
DJで使うとしたらブースモニターや自宅のモニター用スピーカーとしてとなりますね。
一番おすすめはiLoud Micro Monitor です。
やっぱりとにかくパワフルでかつDJのモニターとしても全く破綻していないバランスはDJをしてても楽しいし、一番クラブ環境に近いんじゃないでしょうか?
GoAux3 も音の傾向は近いのでDJブースの「設備が整っていない場所(屋外とかクラブ以外のお店とか)でDJするときに持っていきたい人」はこちらがおすすめです。
・作曲、DTM向き
使用用途としてはこれが一番多そうですね。
一番のおすすめはD3V です。
圧倒的に音の解像度が高いですし、DTM向けの音作りになっています。
HS3 もフラットな音作りなっていますのでこちらもオススメです。セッティングのしやすさや価格を考えると初めての方はこちらの方がおすすめです。
・普段使い
ここでいう普段使いは、テレビやだったり、スマホ・パソコンで動画を観たり音楽を聴いたり、というシチュエーションを想定しています。
一番のおすすめはiLoud Micro Monitor です。
パワフルな音質は映画や音楽を楽しむにはもってこいではないかなと思います。
D3V もPCにUSBで接続ができるのでPCで手軽に高音質で動画や音楽を楽しみたい方はこちらもかなりおすすめです。
・低価格なスピーカーを探している方
いくらここが良い!って言われても予算内じゃないと買えないですよね。
スピーカー以外にも機材とか色々買いそろえたいからなるべく安く抑えたいという方はHS3 がおすすめ!
価格が他のものに比べて低価格なのはもちろんですが、フラットな音質なのでどんな使い方でもこなしてくれるはずです。
ちなみに一つ上のモデルのHS4 も他の3機種よりお安くなっております。
・DJも作曲もやってるしいろんな環境で使いたい!
せっかくコンパクトなスピーカーを買うんだから持ち運んだりしたいという方はGoAux3 がおすすめ。
ラフに使えるけどしっかり音もいいのでDJ,作曲どちらもこなせるのでいろんな環境でいろんな使い方ができます。
iLoud Micro Monitor もコンパクトで機動性・音質共に非常にいいのでおすすめです。
いや、自分でも実際に聴きたいよ!
ですよね。そう思いましてオタイレコードの支店「LEBEN by OTAIRECORD 」ではこちらの4機種をすべて展示しております。
もちろん試聴も可能です!是非ご来店ください!
オタイレコードのYouTubeチャンネルでも紹介中!
一部の製品ですがオタイレコードのYouTubeチャンネルでも詳しく紹介をしています!
気になる製品があれば是非こちらもご覧ください!
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