こんにちは、OTAIRECORDえんどうです。
今回は「DJ用のUSBメモリの作成」についての解説をしようと思います。
まあインターネットで調べれば色々情報は出てくるのですが…笑
DJ機材の販売店としてもこういったガイドラインは必要かなと思い改めて調べてまとめてみました。
これからUSBを使ってDJを始めたい人は是非参考にしてみてくださいね。
昔からUSBでDJしている人もそのまま使い続けているとある日突然DJできなくなってしまう可能性もあるので目を通していただけると!
※この記事は初めての方でもなるべく理解がしやすいように掲載している情報をある程度絞っています…!詳しい方からすれば「これについて書いてない!」とかあるかもしれせんがどうかご容赦ください!
もくじ
USBメモリの選び方
まずはUSBメモリを用意しましょう!当たり前ですがこれがないと始まりません。
ですが、なんでもいいわけではなくて、このUSB選びがDJの快適度を決めますので慎重に!
試しにやってみたい!ぐらいだったらコンビニで売ってるものでも全然十分です!
・容量
まずは容量を決めましょう。容量が大きければそれだけたくさん曲を入れることができます。
参考までに1GBあたりの入る曲数をざっくり計算してみました。
・mp3ファイルで320kbps(ステレオ)だと1GBあたりおよそ1,000曲(4分/曲換算)
・wavファイルで44kHz 16bit(ステレオ)だと1GBあたりおよそ25曲(4分/曲換算)
僕自身そこまでデータ関連の知識がないので本当にざっくりの計算です。もちろん曲の長さが長ければそれだけ入る曲数は減ります。
おそらく↑のどちらかでデータを管理してる人が多いと思いますが、どのファイル形式がいいとかは音質云々もいろいろありますが話すとむちゃくちゃ長くなるのでここでは一旦スルーします。
ちなみに僕は128GBのUSBメモリにmp3 320kbpsのデータを入れて使っています。いろんなジャンルのDJをかいつまんでやってますがまだ半分ぐらい容量が残ってます。
もちろん普段聴いたりするけどDJでは使わない曲とかは入れてません!とにかく持ってる曲はDJで使うかもしれないから全部入れておきたいという人はもっと大きい容量の方が良いかもですね。
・速度
速度、というのはUSBメモリに曲を書き込む(入れる)時の速さとCDJで読み込む(曲をロードさせる)時の速さを指します。
特に読み込みの速さはDJ中に曲を選んでからかけるまでの時間に関わるので、ある程度良いものを選びましょう。
速度はUSBメモリのパッケージや仕様の項目に書いてあることが多いですが、どれぐらい早いものを選べばいいのか分からない!という方はとりあえず有名なブランド(SanDisk, BUFFALO, Transcend, KIOXIAなど。)のものを選んでおくと良いかと思います。よっぽどのことがなければ問題なく使えるはずです!
詳しい方は仕様を見比べてみて選びましょう。(ちなみに同じ1GBのデータでも「1GBのデータ1個の転送速度」と「100MBのデータ10個の転送速度」は違うらしいです。)
・端子の形
これも以外と気をつけないといけないポイントで、CDJ、XDJシリーズのUSB差込口は全てType Aの形状になっています。
一般的に販売されているUSBメモリはType A端子のものがまだ多いですが、中にはType Cのものも販売されるようになってきています。
おそらく今後Type CのUSB端子に対応したDJ機材が増えてくる可能性はありますが、今現在ではType A端子にする方が安パイです。
※注意点
ご使用のパソコンのUSB端子がType Cしかない場合はType C-Aの変換プラグが必要になります。
・SSD、HDD
USBメモリでDJをするという話をしていますが、USBメモリ以外にもSSD、HDDといったものでも同様にDJをすることができます。
USBメモリは一般的に容量の小さいもので1GB、大きいもので512GBの容量のものがあります。(最近では1TB、2TBのUSBメモリもあるそうです!)
SSDはだいたい容量が512GB~と大容量のものが多いです。内部の構造とか仕組みが違うのですが、とりあえずはめっちゃ入るUSBメモリだと思っていただいて大丈夫です。
それぞれの注意点
USB:小さいので失くしやすい、大きい容量のもの(高いもの)を失くしちゃうとショックがデカい…(まあSSDも最近はコンパクトなので失くしやすいかもしれませんが…)
SSD:容量が大き過ぎて、DJ機材(特に古いCDJとか)が読み込めないこともあるようです。DJ機材で読み込めても曲の選択時の表示に時間がかかることも…
HDD:上記二つに比べて物理的に重たい、動作も重たい、衝撃に弱く壊れやすい、本当におすすめしない。
USBメモリのフォーマットについて
難しい言葉もちらほら出てきていますが大丈夫でしょうか?続いてはUSBメモリのフォーマットについてです。
(以降、SSDもUSBメモリと同じ扱いで説明していきます。)
まず、フォーマットってなんですか?というとことから説明すると、簡単に言うと「リセット・初期化」とほぼ同じ意味です。
・フォーマットって必要?
「買ったばかりの新品のUSBメモリなんだから、なにも入ってないし初期化する必要ないんじゃない?めんどくさいんだけど…!」
いいえ、必要です!
フォーマットには「形式」がいくつか存在します。DJ機材に適した形式に初期化をしてあげないと、正しく曲を入れたり読み込んだりできなくなります…!
例えば、算数の勉強で漢字練習帳を使う人っていないですよね?ノートのマス目をちゃんと算数用の方眼ノートに替えてあげることで快適に計算式が解けるようになります。だいたいそういうことです。(うまく伝わってるといいな…)
・フォーマットのやり方
フォーマットしなきゃいけないのは分かったけど、じゃあどうやったらいいの?
フォーマットの方法はパソコンによって異なりますのでお使いのパソコンに合わせてフォーマットを行ってください。
※容量の多いUSBメモリのフォーマット方法については後述しますが方法がさらに異なります。
【要注意】フォーマットを行うとUSBメモリ内のデータが全て消去されます。誤って違うUSBメモリやパソコン本体を初期化してしまわないようご注意ください。
また、フォーマットはUSBメモリに負荷がかかります。不要なフォーマットはなるべくしないようにしてください。
Mac:「Launchpad」内の「ディスクユーティリティ」(もしくはFinderの上のメニューの「移動」>「ユーティリティ」>「ディスクユーティリティ」)からUSBメモリを選択して消去を選択
WIN :「PC」内のUSBメモリを右クリック、フォーマットを選択
フォーマット形式を選択してフォーマット開始
・フォーマット形式
じゃあフォーマット形式はどれを選べばいいの?
FAT32、exFATの二種類が対応しています。(他にも対応形式はありますが、この二種が一般的なので今回は省略します。)
FAT32:CDJ-3000より前のCDJシリーズとXDJ-XZ, XDJ-RX3より前のXDJシリーズはこちらでないと対応できない
CDJ-2000NXS2とかもこっちに当てはまります。
exFAT:CDJ-3000、OPUS-QUAD、OMNIS-DUO、XDJ-XZ、XDJ-RX3、XDJ-AZのみ対応
AlphaThetaさんはこちらを推奨しているようですが、現在のクラブシーンではまだまだCDJ-2000NXS2も現役なのと、FAT32でもCDJ-3000などの新しい機種で読み込める汎用性を考慮すると、正直FAT32の方がおすすめ。
ただし、このあと説明しますがexFATの方がフォーマットのしやすいかつ安定するため使用する機材が↑の対象機器に限定されていている場合はexFATの方がおすすめです。
※注意点
通常FAT32は32GB以下のUSBメモリでしかフォーマットできない形式なので、64GB以上のUSBメモリをWindows PCを使ってFAT32形式でフォーマットするためには外部フォーマットソフトが必要です。(無料で入手可能です。調べれば出てくると思います。)
また、Mac OSでのみ「MS-DOS (FAT)」形式で外部ソフト無しで64GB以上もFAT32形式にフォーマット可能です。(128GBのUSBメモリおよび240GBのSSDをSATA-USB変換させたものをフォーマット、XDJ-RX3で読み込みまで確認)
デバイスライブラリプラス
・概要
さらに新しい単語が出てきて頭に?が浮かんでいる方が多いと思いますが、デバイスライブラリプラスとはrekordboxのUSBメモリに書き込むライブラリの新しい規格のことです。
“プラス”って言われてもそもそもデバイスライブラリって言葉を始めて聞く方も多いと思いますのでざっくりいうと、
「rekordboxで解析したBPMとか、打ったCUEを対応のCDJ、XDJの画面でも見れるようにするためのもの」
です。このデバイスライブラリ規格でUSBメモリに取り込まないで直接USBに曲データを入れると、BPMもCUEも見れませんし、プレイリスト管理もできません。
ただ、心配せずともrekordboxのソフト内で曲を入れれば勝手にデバイスライブラリでUSBメモリに曲を書き込んでくれるので特に気にする必要はありませんでした。
が、AlphaTheta OPUS-QUAD以降のUSBメモリ対応機器は新しい「デバイスライブラリプラス」の規格で書き込んでないと曲を正しく読み込むことができません。
・対応機器
現在デバイスライブラリプラスに対応している機種は
OPUS-QUAD、OMNIS-DUO、XDJ-AZ
の三機種です。OPUS-QUADとOMNIS-DUOは比較的クラブに置いてあることは少ない(過去にDJしに行った会場の機材がOPUS-QUADだったことがありますので、機材は事前に確認をしておきましょう!)ですが、XDJ-AZは前の二機種よりクラブユースに設計されているので、今後導入が増えていく可能性が非常に高いです。というかXDJ-XZがすでに生産完了しているので今後は間違いなくXDJ-AZが増えていきます。
また今後リリースされるUSBメモリ対応機種もおそらくデバイスライブラリプラス規格に移行していくと予想されます。
・設定方法
デバイスライブラリプラスがなんなのかは分かっていただけたと思いますので、実際の設定方法を解説していきます!
まずrekordboxのソフトのバージョンですが、6.6.11以降のバージョンからデバイスライブラリプラスの書き込み機能が搭載されています。
基本的にはrekordbox起動時に自動でデバイスライブラリとデバイスライブラリプラスそれぞれの規格で書き込まれますが、バージョン6.8.0まではソフトウェア内で設定をしてあげないとデバイスライブラリのみで書き込まれてしまいます。(要するに古いバージョンを使い続けてる人は要注意!ということ)
バージョン6.8.0以前のrekordboxを使用している人は、
EXPORTモードに切り替えて設定画面(右上の歯車のマーク)を開き「DJシステム」のアイコンをクリック、「デバイス」タブの中に「デバイスライブラリプラス」の項目がありますのでそこにチェックを入れればOK!以降、自動でデバイスライブラリプラスの規格でも書き込んでくれます。
バージョン6.8.1以降のrekordboxを使用している人は、
USBメモリをパソコンに挿してrekordboxと接続させれば自動で設定してくれます。
※最初に接続するタイミングで「ご使用中のデバイスのライブラリを、デバイスライブラリに変換して利用できるようにしますか?」とポップアップが表示されます。ここで「はい」を選択すると既に入っているデバイスライブラリが自動でデバイスライブラリプラスに変換生成されます。「いいえ」を選択しても以降、書き込みをする際に自動でデバイスライブラリプラスが生成されます。
※注意点
USBメモリへの書き込みを手動で行っている場合やSYNC MANAGERで同期後に手動でUSBメモリから曲を削除する場合は「デバイスライブラリ」、「デバイスライブラリプラス」内からそれぞれ曲を削除しないとUSBメモリから曲が削除されません。
・気になる点を一通り検証!
今まで使っていたUSBメモリの設定が変わる(もしくは気づかないうちに変わっていた)人にとって心配なのは今後使っていくにあたってトラブルがないか、不便になってしまうことがないか、だと思います。ここではUSBメモリの使用にあたって気になる点を検証してみました!
使用容量は倍になってしまう?
ライブラリの種類が2種類になり一番心配なのはやっぱり容量。単純計算で必要な容量が倍になってしまうのではないか…?なんて考えましたが、結論から言うとそんなことありませんでした。
おそらく楽曲のデータを保存するスペースは共通で、「デバイスライブラリで表示する曲やプレイリスト一覧」「デバイスライブラリプラスで表示する曲やプレイリスト一覧」のデータがあるのではないかなと思います。(正確な仕様は分かりませんが…)
その証拠に、バージョン6.8.0のrekordboxでデバイスライブラリのみとデバイスライブラリ+プラスで同じ楽曲で書き出しをしましたが容量は同じでした。
厳密にいえば「デバイスライブラリプラスで表示する曲やプレイリスト一覧」のデータ分若干使用する容量が増えるとかもしれませんが。
書き出し時間は倍になってしまう?
では、書き出しにかかる時間についてはどうでしょうか?実際に測定するのは大変なので細かく測定はしていませんが、とりあえず書き出しの進行の様子をみてると、どうやら1曲ごとに「デバイスライブラリに同期→デバイスライブラリプラスに同期」といった流れで書き出しがされているようです。
楽曲のデータは共通なので、倍の時間かかることはないと思いますが「デバイスライブラリのみ」よりは時間がかかります。
書き込みの速度が速いUSBメモリやSSDを使えばそこまで気にならない程度にはなりました。(安いUSBメモリだと結構苦しいです…)
なので、USBメモリの準備は事前に行っておくことをおすすめします。DJの出番前ギリギリでやらないように…!
読み込みは?
最後に読み込みも見てみましょう。こちらは体感で全く変わらないです。おそらくDJ機材に接続したタイミングでどちらのライブラリにアクセスするか判別して必要なデータのみを読み込んでいるのだと思われます。(これもあくまで推測ですが。)
デバイスライブラリプラスをUSBメモリに入れたくない…
っていう人もいるかもしれません。(実際書き込みに時間がかかってしまうようなので)
そういう人はバージョン6.8.0をインストールしてUSBメモリを書き込めばデバイスライブラリプラスを書き込まずに使用することができます。
ただ、今後のことを考えるとあまり推奨はできません。現場の機材が急に新しくなって読み込めない!DJできない!ってならないように今のうちからデバイスライブラリプラスの設定をしておく、最低限の概念や設定方法は理解しておいた方が良いかと!
僕も今回調べて初めて知ったことも結構あったのでこのブログを書いてよかったです。それではまた!
rekordbox ver. 6 インストールファイルアーカイブ