STEMSファイルを自分で作ることは出来るのでしょうか?できるのです!!
STEMSファイルを自分で作るには画像のような「STEMSクリエーター」が必要となります。こちらはなんと無料で提供されているアプリケーションなのです。
ざっくりとした作成までの流れを説明しますとここにDAWであらかじめ4つのパートにエクスポートしたファイルをそれぞれSTEMSクリエーターにインポートします。
そしてそれをSTEMSクリエーターの中でコンプレッサーやリミッターなどを使用してマスタリング作業を行ってエクスポートする。すると自分だけのオリジナルSTEMSファイルが作成されます。もちろんアーティストのカヴァーアートなども読み込むことが可能です。なのでこれはDAWを持っている、あるいは使用できる、さらにはマスタリングにも少し知識がある方はすぐに使用できるかと思います。
ただ、このSTEMSクリエーターは結構シンプルなつくりになっていますので初心者のかたでも簡単に扱う事は出来ますが、もともと追加エフェクトでwavesなどのマキシマイザーを使用している方などは少し扱いにくいかもしれません。このSTEMSクリエーターはインサートエフェクトを使用することが出来ないからです。
音にこだわったり、好きな音圧があってもそれを使用する事は出来ません。内蔵のコンプレッサー、リミッターを使用しなければなりません。
こういったことは結構欠点にもなってしまうかもしれません。こういったクリエーターの世界はいかに良い音で作り込むのかもとても大事な事ですが、どれだけ自分の音を表現できるか、といったこともとても重要な要素の一つだと思います。
あらかじめ4つのファイルに書き出す際にある程度マスタリングをしておくのも良いかもしれません。
また、STEMSクリエーターを使う上で注意しなければならないのが、元のマスタリングされた曲からパートを抜き出す、その際に変化する音圧の問題です。
少し難しいかもしれませんが、もともとマスタリングというものはすべての音がある状態で行います。そこからSTEMSでDJを行う際はベースだけ抜いたり、ドラムだけ抜いたり。すると元からあったマスタリングの音圧から結構下がってしまうのではないのでしょうか?
TRAKTORの中に元からコンプレッサーのようなものが入っていて、リアルタイムで処理してくれるのならまだしも、この問題は割と重要な要素となります。
あとは近年のEDMなどでは多くみられる「サイドチェーン」。こちらは例えばキックのある部分のみベースの音を弱くする、という事をDAW上のエフェクトで行う事なのだが、プレイ中にキックをなくすともちろんそのままサイドチェーンはかかったままである。
それが曲として良いことなのか悪いことなのか、という事です。
STEMSクリエーターは簡単な分、こだわるポイントがとても限られてしまいます。それはクリエーター自身がどこまで作って、どこまで妥協するか、というのがとても大事なことだと思われます。
ただ使い方によってはとても面白い物を作ることも出来ます。是非やり込んでみて自分なりのSTEMSの作り方を見つけていってほしいと思います。