最初の言葉
=calm氏
=OTAIRECORDようすけ管理人
-第1章- 「DJと音質について」
はじめまして。はじめましてというか、昨日パーティーでお邪魔させていただきましたけど(笑)。OTAIRECORDのようすけ管理人と申します。
はい、ありがとうございます。
昨日ですね、picanteさんの主催で、愛知県一宮市のSTYLEというクラブでパーティーをCalmさんと井上薫さんとでDJをされていたのですけれど、 そのパーティに伺って、改めて自分は、まだまだ不勉強だなという所を感じました。

「DJをやる際に音質っていうのをもっと大事に考えてみてはどうなのか?」というところを、常々自分は思っていたのです。

先ほどCalmさんにもお店をご覧いただきましたけど、オーディオ部門がありまして、割と自分も小さい頃からそのオーディオにずっと触れてきて、良い録音だとか、 良い音って何だろうっていうのは、小さい頃からずっと考えてきた方だったのです。

今のDJシーンでも、みんなまあ、好き好きにやればいいとは思うんですけど、 DJのパーティーが、少しでも気持ちいい空間を作り上げるというような定義があるとしたら、今、Calmさんがやられているスタイルは自分のある意味理想形でした。

だからcalmさんのパーティにお邪魔してすごく自分は感動したのです。

フォノイコライザーもDJミキサーの物ではなく、別で用意されていたり。

その事をまずお話させていただければなと思うんですけど。

例えば、フォノイコライザーを別で付けたりだっていうところは、いつの段階からそれは意識するようになられたんですか?
10年ぐらい前に、それまではそんなにこだわってなかったんですけど、制作の方で、電源ケーブルを1個換えただけで、パソコンの電源ケーブルを1個換えたりとか、電源をクリーン電源から取るようにしたら、音がすごく良くなったんですよ。
パソコンの電源もですね!
それ制作の方で使っているんで。サンプルノートとかソフトウェアのシンセの音がめちゃくちゃ良くなったんですよ。
なるほど。
そこで急に目覚めたというか。
これはちょっと違うんじゃないかという感じで世界が。
はい。それまでは家で聴くのも、普通にDJミキサーみたいなの通して、本当に音楽聴いてたんですけど。

でも、そこから電源ケーブルを換えると良くなるとか、そういう電気自体をきれいにすると音が良くなるっていうのに、はまっていって、それをオーディオの方にも取り入れていったって感じなんですけど。
なるほど。それをも今はもうフルにDJに生かされているという。
そうですね。家で聴いている自分の環境に同じには絶対にできないですけど、自分が家で聴いて感動する部分って、例えば、曲の良さとか、メロディー、リズムの格好良さもあるんですけど、例えば、空間がすごい広がってて、聴いてて、奥行きまで感じて美しい曲とか、左右のにバーって触れてパンって持っていかれる曲とか、そういうのにすごいやっぱり感動するから。

それをDJのときにも近い感じで、みんなに共有してもらえたらなと思って、そう考えるとなんか、通常の普通の機材を使ってたら、それは全くできないというか、それもある程度は分かったんで。

だから機材は、持っていける範囲で持っていけるようにしているんですよね。
CalmさんのDJを聴かせてもらったときに、本当にCalmさんがレコードを1枚置いて、1枚1枚毎回レコード盤をクリーニングをして、使い終わったら1回1回このオンゾウラボの「ゼロダスト」というクリーナーがあるんですけど、これを使って1回1回針をクリーニングされておられました。
もちろん、ほこりに対するものだとか、静電気に対する意識だっていうところもそうだとは思うんです。

ただ、それだけじゃなく、昨日、本当に感動したんですけど、1曲1曲、本当に大事にかけられているなっていう風に思いました。

それが、一緒の空間にいるオーディエンスにすごく伝わってきました。DJが、こういう意識で曲をかけている。そうしたら聴く側も、強迫観念とかおしきせがましい形ではなく、もっとちゃんと聴かないとなって、自然にオーディオエンスも音をしっかり聞いて、その空間を楽しんでいました。

DJに引っ張られて、ちゃんとパーティーを作っていかないとなっていうような。

calmさんのDJを聞いた時に、だんだんみんなの意識が、時間がたつにつれて昇華していくのが分かったんですね。

その場のグルーヴというのが、本当に目に見えてドンドン変わっていくっていう。

知らない間にCalmさんの世界に支配されていくっていうのが、すごく衝撃的で、それはやっぱりCalmさんの出す出音だとかもそうですし、もはや精神的なところっていうのがすごく大きいのかなっていうふうに思ったのです。

そうですね。だから結局、さっき言われたみたいに、音に支配されていくのって、オーディオマニアの人から聞くと、なんかいろんな針があれだとか、何だとかってちょっと分かる部分もあるんですけど。
まあ、ステップ的な。はい。
普通の人ってそれ分かんないじゃないですか。

パソコンでDJしてれば、レコードで、まあ見た目はちょっと違うけど、出音に関して、それがどう違うのかって普通の人って分からないじゃないですか。

でも、そうやって理論的には分かんなくても、例えば踊ってたり、その空間にいたときに、感覚としてというか、なんか今日つまんないねっていう、そのつまんないがどこから来ているのか。
選曲が悪いのか、自分に合った、たまたまハッピーポップを求めていたのにハウスだったとかっていうのもあるかもしれないし、今日なんか、音がちっちゃいとか分かんない。
いろんな原因で、なんか思うかもしれないですけど。

でも、それをより良く伝えるっていうか、そういう意味で、なんか自分の中では、デジタルとかCDとか、そういうパソコンとかでプレーするしゃれている音っていうのには全く興味がないので、ということはレコードがいいと思ってかけてるわけじゃないですか。

家で確認してもそうなんで。と、いうことはそのレコードを、じゃあどうやってきれいに伝えるかって言ったら、やっぱり1曲1曲ちゃんとゴミが乗ってないようにするとか、針にやっぱりレコード1周したら、ほんのわずかですけど、ほこりが付いていたり、まあそういうのも、なるべく取って。
そうすることによって、やっぱオーディオって、入り口がとても大切。
だから、その入り口の部分で手を抜かないっていうか、選曲とかは好みなんで、しょうがないにしても、その自分がかけるその1曲に関しては責任を持って、エラーがなるべく少ないようにかけるっていう。
そのため、そうやって拭いたり、針きれいにしたりしているんですよね。
その印象として、高級とか低級とかというのは別として、すごくいい感じの料亭に行ったような気分がしたんです。

1品1品とても丁寧に出てくるんですよね。
考えぬかれて、気持ちも込められた料理のコースを食べに行ったなみたいな、そういう印象があったんですけれど。
でも自分としては、そういう細かいところを気にすれば、もっとなんか音は良くなるってある程度は最近、すごい学習してきたんで。
そういう意味で、自分が努力できるところはしっかりやる。
例えば箱に行って音が気に入らないから「じゃ、スピーカーとアンプ変えてよ」ってそれできないじゃないですか。
そうですね。
じゃ行って、自分が準備できることといったら、例えば、そういう針を持ち込むとか、フォノイコ持ち込むとか、1回1回針をきれいにするとかって、そういうところしかないので。

そこはしっかりやりたいな、と思っているんです。
プロフェッショナルですね。
あ、いやいや。あくまでもそれは、音を追求してるからで。

DJプレーというよりは、自分の場合はなんかもう、今はパソコンを使えば、誰だってオートシンクみたいなやつでミックス。

だからもうプロかのように、プロかもしれないですけど、プロかのようにミックスとかもすごいことができるんで、だからもう、 そういうところで競っても、競うっていう言い方変ですけど、結局、今の音楽シーン、クラブシーンとかを駄目にしちゃってるのは、 やっぱり行って楽しくない音っていうか、俺そこだと思ってるんで。

昔は、クラブバブルっていうのがあって、どんな状態でも手をほっといても人が入るという時代があったんです。

その時代は、みんなほとんどの人はレコードでプレーするし、たまにCDしかないやつみたいなのが多かったんで、音は悪いけどレコードの音だと。

でも今は、なんか音は普通の音がするけど、レコードに比べてCDってエラーが少ないというか、その環境にあまり左右されにくいというか。
レコードはすごく左右されますね。
だから今は、そういう悪くしていったものを、ちょっと改善していくっていう気持ちでいます。自分はアナログが一番好きなんで。
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