Sonus faber/スピーカー/OLYMPICA NOVA�V(ペア)

Sonus faber/スピーカー/OLYMPICA NOVA�V(ペア)のご紹介です。

長きにわたるスピーカーづくりの歴史が生んだ新たなフォルムに、木材とレザー、金属など異種材料それぞれの特性を巧みに活かすソナス・ファベールならではの技と、音楽心にあふれた再現性にかける情熱を体現した、“オリンピカ・ノヴァ “コレクション。

ソナス・ファベールの新時代を拓いてきたデザイナー、パオロ・テッツォンによる、新たな提案です。

“オリンピカ”コレクション

2013年、ソナス・ファベールが発表した“オリンピカ”コレクション。

その名は、16世紀の名建築家アンドレア・パラディオが、北イタリア・ヴィチェンツァに遺した劇場 “テアトロ・オリンピコ”に由来します。

古代ギリシャの劇場を範としたその威容は、この町の美しさをさらに引き立てたのみならず、建築における音響設計の優れた模範とも考えられるようになりました。

ソナス・ファベールは、いにしえの知恵と技を学び、そして活かすパラディオの方法論に、長年貫いてきた自らのスピーカー哲学との接点を見いだしたのです。

それから7年、ソナス・ファベールは、新たなコレクション“オリンピカ・ノヴァ”を世に問います。

それは、イタリアの偉大な楽器職人たちへの敬意を礎として、その技と感性をスピーカー設計に活かす伝統と、絶えず新しい発想と先端テクノロジーを大胆に融合してきた近年のソナス・ファベールの歩みを映す、最新のイノベーションです。

革新のキャビネット形状

かつてソナス・ファベールは、キャビネット断面を弦楽器の原型たるリュートの形に似せた「リュート・シェイプ」を確立、スピーカーの歴史に新たなページを開き、その後、竪琴のような断面をそなえる「ライラ・シェイプ」へと進化させました。

そして、この流れから、最初の“オリンピカ”が体現する「エンハンスド・ライラ・シェイプ」が生まれました。

それは、ソナス・ファベール初の試みとなる左右非対称デザイン。

内部の平行面をなくすことで定在波を排除し、内部共振を大幅に低減する手法でした。

“オリンピカ・ノヴァ ”は、純度高い音楽再生に寄与する、この独創的・革新的キャビネット造形を継承しています。

機能と造形美の融合

キャビネット材は、“オマージュ・トラディション”や“アイーダII”など、近年のソナス・ファベールの傑作にも採用されたプライウッド構造。

厚みの異なる木材シートの木目を直行させながら8層重ねてプレス機で加圧し、美しくも強靭な曲面に成型しています。

キャビネット内部には、３ヶ所にわたって木材リブを配置、構造全体を支持するとともに共振を抑えています。

仕上げ材はウォルナットとした上で、７層に及ぶ入念なラッカリングによって、旧 “オリンピカ”でも印象的だった半光沢フィニッシュを施しました。

ウォルナット突板材の接合部には、デザイン上のワンポイントとして、また振動のダンピングを目的としてクリア・メイプル材を使用。

異種木材を巧みに組み合わせて、木の響きを活かしながら不要振動を低減する技と、音楽を奏でる楽器としてのスピーカーの美しさを両立するソナス・ファベールの手法は、またしても新たな段階を迎えています。

先進的なポート・チューニング

“オリンピカ・ノヴァ ”のバスレフ・ポートは、近年のソナス・ファベールが開発し、磨きをかけてきた革新的な手法を採用しています。

その名は「ステルス・ウルトラフレックス」。

「ラミナー・フロー」と呼ばれる伝統的な空気力学の考え方をもとに、垂直方向に配したポートによって気流を制御する「ステルス・リフレックス」の発展形です。

旧 “オリンピカ”では、ポート出口に多孔ステンレススチール・プレートのリフレクター板を設けることによって気流の反射・拡散を制御していました。

一方、“オリンピカ・ノヴァ ”では、オマージュ・トラディション”シリーズにも搭載されたアルミニウム押し出し成型のポートを採用。

波形の断面を持つこの垂直ポートが、気流の乱れを最適に制御してポートノイズを極小化することで、低域再現性の向上を実現しています全ドライバー・ユニットの背圧は、内部平行面のない形状のキャビネット内を渦巻くように流れ、この「ステルス・ウルトラフレックス」ポートから放射されます。

左右のスピーカー位置を入れ替えることで、キャビネット斜め後方に設けられたこのポートが外側・内側のいずれかに向くことになるため、リスニングルームの音響条件に応じて低域レスポンスを調整できるのも大きなメリットです。

流麗にして堅牢な構造

キャビネット全体は、天然木材とCNC加工アルミニウム・プレートを組み合わせたトップ・プレートとボトム・プレートによって上下から挟み込む独自の「エキソ・スケルトン・クランプ」構造とすることで、キャビネット振動を抑えこんでいます。

これも、異種素材の融合から新しい価値を引き出すソナス・ファベールならではのコンセプトです。

また、ボトム・プレートには、床面から伝播して再生音に影響する不要共振や振動成分をキャビネットに伝えることがないよう、新規設計のスチール・スパイクを組み込みました。

独立バッフル採用の高域・中域

“オリンピカ・ノヴァ ”では、すべてのドライバー・ユニットが設計段階から見直され、まったく新しい世代へと生まれ変わっています。

各モデルが採用する高域ドライバー・ユニットは、強靭なアルミニウム・ダイキャストのフレームにマウントされた28mm口径のシルク・ソフトドーム・ツイーター。

ドームの頂点を、アーチとリングにて部分的にダンピングすることでダイアフラムの逆相挙動を制御する、ソナス・ファベール独自の「DAD(Damped Apex Dome)」テクノロジー、そして強力なネオジム・マグネット駆動回路によりソフトドームの性能をフルに抽出し、伸びやかで透明感あふれる再現性、繊細にしてダイナミックなディティール感を獲得しています。

Iの 中・ 低 域、IIIとVの中域を担うのは、150mm口径ペーパー・コーン型ドライバー・ユニット。

セルロース・パルプ、カポック、ケナフといったナチュラル・ファイバーを自然乾燥させた上で圧縮することなく成型した、軽量で高品位なダイアフラムにより、音楽再生の核となる中域をいっさい色づけなく表現します。

ボイスコイルは、特殊銅合金フォーマー上にCCAW（銅被覆アルミニウム巻線）を巻く構成とし、質量を抑えることでダイナミクスと耐入力の向上を図りました。

また、ダイアフラムのダンパーは優れた物性を持つビマックス材とすることで、高い効率と耐久性を獲得しています。

Iの中・低域ドライバー・ユニットのセンター・キャップはコーティングを施した繊維素材で、ナチュラルなサウンドを阻害することなく気密性を維持、歪みなく、ダイナミックなダイアフラムの動作をサポートします。

III、Vの中域ドライバー・ユニットのダイアフラム中央には銅リングをそなえたアルミニウム製フェーズ・プラグを設けることで、相互変調歪みを抑制しつつ細部のダイナミクスを向上。

優れたインパルス特性とナチュラルな減衰特性に向けて細心にチューニングされています。

圧倒の低域を再現する強靭なウーファー

III、Vのウーファーは、かの“オマージュ・トラディション”のために開発されたドライバー・ユニットに着想を得て設計された180mm口径コーン型。

IIIでは２基、Vでは3基搭載しています。

そのダイアフラムは、セルロース・パルプのシート2枚でシンタクティック・フォーム材シートを挟み込む独自のサンドウィッチ構造で、軽量・低質量でありながら剛性が高く、高速なレスポンスと、パワフルで引き締まった低域再現性を発揮する一方、中域・高域ドライバー・ユニットとのシームレスな音色のつながりを実現しています。

もちろん、パワフルな磁気回路によって駆動されるその重厚なパフォーマンスを、アルミニウム・ダイキャスト・バスケットがリジッドに支持します。

高純度・高精度な再現性の鍵、クロスオーバー・ネットワーク

革新的なキャビネット設計と高性能なドライバー設計を活かし、心躍る音楽再生を実現するため、“オリンピカ・ノヴァ ”のクロスオーバー・ネットワークは、“オマージュ・トラディション”や“アイーダII”でも採用した「パラクロス・トポロジー」に基づく回路を継承。高周波干渉に強く、トランジェント特性の向上やノイズフロアを低く抑える上で有効なソナス・ファベール独自の回路設計で、各ドライバー・ユニットの振幅/位相特性、空間/時間特性を最適化する一方、低周波数のインピーダンスを最適に制御して様々なアンプに対応することができます。

また、パーツの一つひとつを再検討し、厳選を重ねる中で、英国クラリティー・キャップ社とコンデンサーを共同設計するという、ソナス・ファベールとしては初めての手法を取り入れました。

“イタリアン・メイド”の誇り

“オリンピカ・ノヴァ ”では、キャビネットやドライバー・ユニットの設計・製造から組み上げに至るほとんどの作業を、北イタリアの自社工場にて行なっています。

スピーカーを素材のレベルから知り尽くした熟練職人による丁寧なものづくり。

そのクラフトマンシップこそは、ソナス・ファベールの大いなる誇りです。

SPEC

形式 3ウェイ 4スピーカー バスレフ方式 フロアスタンド型スピーカー
使用ドライバー・ユニット 高域 “H28 XTR3” 28mm アローポイントDAD シルク・ソフトドーム型
中域 “M15 XTR2-04” 150mm コーン型（ナチュラル・ファブリック）
低域 “W18XTR2-12” 180mm コーン型 × 2
（セルロース / シンタクチックフォーム・サンドウィッチ構造）
周波数特性 35〜35,000Hz （ステルス・ウルトラフレックス含む）
出力音圧レベル 90dB/W/m
公称インピーダンス 4Ω
クロスオーバー周波数 250Hz / 2,500Hz
推奨アンプ出力 50〜300W（クリッピングなし）
最大入力電圧 22Vrms
スピーカー端子 バイワイヤリング対応端子（HIGH / LOW）
外形寸法 W380mm×D460mm×H1105mm （本体部、突起部含む）
本体重量 35kg/本