ジョージ・セル、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ピラール・ローレンガー(SACD)ベートーヴェン:劇音楽《エグモント》、交響曲第5番《運命》

商品No: 25846
メーカー
レーベル:
エソテリック
タイトル: ベートーヴェン:劇音楽《エグモント》、交響曲第5番《運命》
アーティスト名
種別:
ジョージ・セル、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ピラール・ロ
商品番号: ESSD-90251

価格

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※こちらの商品はCDです。レコードではありませんのでご注意ください。

晩年ヨーロッパで神のごとく崇められたセルによる、明晰を極めたベートーヴェン。

ジャンル::交響曲・管弦楽曲
ジョージ・セル指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
ピラール・ローレンガー(ソプラノ)

レーベル::DECCA
音源提供:ユニバーサルミュージック合同会社
仕様:Super Audio CDハイブリッド
DSD MASTERING / Super Audio CD層
2チャンネル・ステレオ
美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ
品番:ESSD-90251


ベートーヴェン生誕200年を寿ぐ記念盤
当リマスター・シリーズでは過去にオイストラフやフルニエとの協奏曲で登場したジョージ・セルが、晩年にヨーロッパで残した記念碑的なベートーヴェン録音を世界で初めてSuper Audio CDハイブリッド化。


2021年12月10日発売

晩年ヨーロッパで神のごとく崇められたセルによる、
明晰を極めたベートーヴェン。
クリーヴランド管弦楽団に黄金時代をもたらしたハンガリーの神童
20世紀に活躍した指揮者の中でも、格段に大きな足跡を残したジョージ・セル(1897.6.7ブダペスト〜1970.7.30クリーヴランド)。ハンガリー・ブダペスト生まれながら幼少期をウィーンで過ごし、11歳でピアニストとしてデビュー、作曲家としてもユニヴァーサル・エディションと10年間の専属契約を結び、16歳の時に急病の指揮者に代わって急遽指揮台に立ち、指揮者としてデビューするなど、音楽的才能に恵まれた神童としてのエピソードは数えきれません。R.シュトラウスとの交友やE.クライバーの下でのベルリン国立歌劇場での指揮など、第2次大戦前のヨーロッパでの八面六臂の活動もさることながら、セルの名前が今日でも知られているのは、何と言ってもクリーヴランド管弦楽団に黄金時代をもたらした立役者として、でしょう。セルは第2次大戦後の1946年にアメリカ市民権を得て、ラインスドルフの後任としてクリーヴランド管弦楽団の音楽監督に就任し、驚くほど厳しい練習によって磨きぬかれたアンサンブルを作り、同団を20世紀オーケストラ芸術の規範とも言うべき世界最高の存在に仕上げたのです。

透明度高く、クリーンで端正な音楽づくり
セルの音楽の特徴は、磨きぬかれた透明度の高い響きと、クリーンで端正な表現、一分の隙もない造形の均衡にありました。そして、そこには常に冷静に音楽の外側に立っているように見えながら、あらゆる作品の純粋な音楽美を見事に掘り出す音楽性があり、特にモーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスなどの演奏には、長年のヨーロッパにおける経験を生かした格調高い解釈で定評がありました。その特質が最もよく発揮されたのはクリーヴランド管との演奏でしたが、非常に厳格なリハーサルを課すことで知られたセルは、客演するオーケストラでさえも短時間で自らの色に染めあげ、「セルの音楽」を実現することができました。クリーヴランド管音楽監督としてシーズン中はアメリカに留まっていたセルですが、クリーヴランドのシーズンが終わる初夏から盛夏の音楽祭の時期はヨーロッパに滞在し、ウィーン・フィルを始めとするヨーロッパのオーケストラと共演し、その名声を高め、やがて「神のような」と形容され存在にまで崇められるようになりました。

血の共感が生んだウィーン・フィルとの最晩年の正規録音「エグモント」
セルがウィーン・フィルと共演したのは1919年のことで、この時はピアニストとして、フェリックス・ワインガルトナーの指揮でシューマンのピアノ協奏曲を弾いています。指揮者としては1922年に自作の「抒情的序曲」を指揮したのが最初。しかしセルとウィーン・フィルの関係が密になるのは第2次大戦後のことで、1949年にザルツブルク音楽祭で「ばらの騎士」を指揮して以来、定期的にザルツブルクで共演するようになりました。1966年には指揮者として初めて定期演奏会に招かれ、以後亡くなるまで毎シーズン客演し、ウィーン芸術週間やベートーヴェンの第9、ブルックナーの第8番など、重要な演奏会の指揮を担っています。ウィーン・フィルはセルの中に、自分たちと同じ血脈を持つ同志としての音楽家を見出し、セル自身も音楽的ルーツを共有するウィーン・フィルの個性を愛でていました。クリーヴランド管との絆やコロンビア・レコードとの専属関係のなどのために、ウィーン・フィルとのセッション録音が実現したのは1964年のカーゾンとのモーツァルトのピアノ協奏曲2曲と、この1969年のベートーヴェン「エグモント」だけでした。

ベートーヴェン生誕200年を寿ぐ記念盤
序曲ばかりが有名な「エグモント」ですが、1970年の作曲者生誕200年を機に、ドイツ・グラモフォンからカラヤン/ベルリン・フィル盤が、そしてデッカからはこのセル/ウィーン・フィル盤が相次いで発売され、作品の知名度アップに貢献しました。セルはクリーヴランド管では序曲を除いてこの作品を指揮しておらず、おそらくこの録音が生涯唯一の演奏になったのではないかと思われます。セルが亡くなる約8か月前の録音で、結局はセルの追悼盤として発売されることになりましたが、一瞬の緩みもない筋肉質な音楽は全盛期のセルそのもの。1950年代まではオペラ指揮者としてのキャリアが長かったセルらしく、アリアでのローレンガーを支える呼吸感や情景描写も見事です。録音はデッカのウィーン録音の拠点であったゾフィエンザールで行われ、明晰かつ精細なセルの音楽づくりのもと、ウィーン・フィルの濃密な響きが立体的に整理され、ティンパニの粒立ちまではっきりと捉えた、デッカらしい鮮明なサウンドで収録されています。クレールヒェンの情熱的なアリアを歌うローレンガーも存在感が大きく、その迫真的な歌唱がリアリティをもって再現されています。

ベイヌムと共同指揮者をつとめたコンセルトヘボウ管との名演
セルがロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を初めて指揮したのは1936年のことですが、やはりその関係が密接になるのは第2次大戦後の1948年以降のことで、1958年から61年にかけてはエドゥアルド・ヴァン・ベイヌムと同管の共同指揮者を務めています。生涯演奏回数では103回とウィーン・フィルとの33回を上回り、録音もLP 5枚分をデッカとフィリップスに残しています。当ディスクの交響曲第5番は、1966年11月、セルにとってコンセルトヘボウへの最後の客演の機会にフィリップスによって録音されたもので、この時は10回の演奏会をオランダ国内で行い、そのうち5回でこのベートーヴェンの第5番を指揮しています。セルのベートーヴェンの交響曲といえば、1957〜64年にかけてエピック/コロンビアに録音したクリーヴランド管との全曲が知られていますが、このコンセルトヘボウとの第5番は、1963年10月のクリーヴランド管との同曲の録音からわずか3 年での再録音であり、専属契約が厳しかった当時としては異例のことでした。

ロジックを積み重ねた立体的なベートーヴェン「第5番」
クレジットはないものの本拠地コンセルトヘボウで録音されたと思われる第5 番ですが、ボディのあるオーケストラのサウンドがホールの残響に埋もれず、血の通った立体的な響きとして眼前に現れるのは、録音会場の特性を知ったフィリップスのエンジニアの耳の賜物でしょう。コクのあるコンセルトヘボウの個性的な木管パート(特にホルン)の動きが手に取るように捉えられ、弦楽パートを含む全オーケストラとのモティーフの絡み合いが面白いようにクリアに聴こえるのは、セルの鍛錬によるものでしょう。ベートーヴェンが一つの小さなモティーフをもとに組み立てた立体的な建築物のような趣があるこの交響曲の構造を透かし彫りするかのようです。興が乗ったセルの唸り声や指揮台を踏む音も収録されています。

最高の状態でのSuper Audio CDハイブリッド化
この2つのベートーヴェン録音は、セルの全ディスコグラフィの中でも重要な録音であるため、アナログ時代にも必ずカタログに残されてきたもので、CD時代になっても「エグモント」は1988年に「レコード芸術」の名盤コレクションでいち早くCD化され、1996年には「クラシック・サウンド」で20ビット・リマスター、2015年にはタワーレコードの企画で24ビット・リマスターが行われています。また第5番も1998年にノーノイズ・システムでリマスターされた「レジェンダリー・クラシックス」でCD化され、2001年には「フィリップス・グレイト・レコーディングズ」、2004年には「アナログ名盤50」でハイブリッド盤として発売され、2015年にはタワーレコードの企画で24ビット・リマスターも行われました。今回のSuper Audio CD化に当たっては、これまで同様、使用するマスターテープの選定から、最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業が行われています。特にDSDマスタリングにあたっては、D/Aコンバーターとルビジウムクロックジェネレーターとに、入念に調整されたESOTERICの最高級機材を投入、またMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、オリジナル・マスターの持つ情報を余すところなくディスク化することができました。

『作品を再認識させる素晴らしい演奏』
「セルの彫りの深い堂々たる演奏に圧倒される。セルの棒は全体に丸みを帯びているが第2 曲や第6曲の間奏曲ではキビキビとして切れ味がよく、山場を巧みにつくっている。特に第8曲「メロドラマ」から終曲「勝利の交響曲」にかけての盛り上がりは圧巻で、異常な緊迫感を生む。独唱者のローレンガーも清純なクレールヒェンらしく清らかで堂々とした歌唱を聴かせる。」
『レコード芸術』1970年10月号、推薦盤

「セルがウィーン・フィルを振った唯一のレコードは、全曲が演奏される機会の極めて少ない、この作品であった。ウィーン・フィルのためか、セルの指揮は重厚で、メリハリの利いた中に、柔和な表情もたたえている。しかし、圧巻は何と言っても第8曲の「メロドラマ」と終曲「勝利の交響曲」である。まさに感動的な謳いあげに、背筋がぞくっとする思いである。脂の乗り切った時期だけに、ローレンガーの歌唱は清純にして、輝くばかりである。ナレーションも実に全体をドラマティックに盛り上げている。」
『クラシック・レコード・ブック1000 VOL.2 管弦楽曲編』1986年

「セルという指揮者は、いうまでもなくクリーヴランド管とのコンビで我々は深く馴染んでいるわけなのだが、ここではその彼がウィーン・フィルを指揮している点が興味深い。基本的にはもちろんアメリカのオーケストラを相手にしても変わるわけではなく、均整のとれたセンスの良い音楽づくりなのだけれど、ウィーン・フィルを相手にした場合のセルは、ほんのちょっとした、肌触りのようなものが違ってくる。より柔らかで柔軟性を増してくるとでもいえばよいのだろうか。ローレンガーを含めて、ここに聴くベートーヴェンは程よく吟味されており、その懐が深い。」
『ONTOMO MOOK クラシック名盤大全 管弦楽曲編』1998年

「序曲以外はほとんど演奏機会のないこの作品を再認識させる素晴らしい演奏だ。セルはよほど気合が入っていたようで、スタジオ録音にもかかわらず唸り声も聞こえてくるほどの熱演だが、造詣が全く崩れておらず、常に音楽的な求心性を失わないところが彼らしい。ウィーン・フィルも自分たちの持ち味をしっかりと活かしつつ、セルの要求にしっかり答えている。出番こそ多くはないもののローレンガーの歌唱も見事。好悪は分かれるだろうがヴッソウの語りも迫真的だ。」
『クラシック名盤大全』2015年

TRACK LIST

劇附随音楽《エグモント》作品84(全曲)(ゲーテの戯曲による)
序曲
第1曲:クレールヒェンの歌〈太鼓をうならせよ〉 Lied (Vivace): "Die Trommel gerühret!"
第2曲:間奏曲 第1 番 Zwischenakt I (Andante)
第3曲:間奏曲 第2 番 Zwischenakt II (Larghetto)
第4曲:クレールヒェンの歌〈喜びにあふれ、また悲しみに沈む〉 Lied (Andante con moto): "Freudvoll und leidvoll"
第5曲:間奏曲 第3 番 Zwischenakt III (Allegro - Marcia: Vivace)
第6曲:間奏曲 第4 番 Zwischenakt IV (Poco sostenuto e risoluto)
第7曲:クレールヒェンの死 Clärchens Tod (Larghetto)
第8曲:メロドラマ〈甘き眠りよ! お前は清き幸福のようにやって来る〉 Melodrama (Poco sostenuto)
第9曲:戦いのシンフォニー Siegessymphonie (Allegro con brio)
交響曲 第5番 ハ短調 作品67《運命》
第1楽章 Allegro con brio
第2楽章 Andante con moto
第3楽章 Allegro
第4楽章 Allegro



ピラール・ローレンガー(ソプラノ)(エグモント)
クラウス=ユルゲン・ヴッソウ(語り)(エグモント)
ヴァルター・レーマイヤー(オーボエ・ソロ)(エグモント)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(エグモント)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(交響曲第5番)
指揮:ジョージ・セル

[録音]
 エグモント:1969年12月11日〜15日、ウィーン、ゾフィエンザール
 交響曲第5番:1966年11月、アムステルダム、コンセルトヘボウ
[初出]
 エグモント:SXL 6465(1970年)
 交響曲第5番:802 769 LY(1967年)
[日本盤初出]
 エグモント:SLC1859(1970年9月)
 交響曲第5番:45X7501(1967年11月)
[プロデューサー]
 エグモント:ジョン・モードラー
[バランス・エンジニア]
 エグモント:ゴードン・パリー

[Super Audio CDプロデューサー]大間知基彰(エソテリック株式会社)
[Super Audio CDリマスタリング・エンジニア] 東野真哉(JVCマスタリングセンター(代官山スタジオ))
[Super Audio CDオーサリング]藤田厚夫(有限会社エフ)
[解説]諸石幸生、広大介
[企画・販売]エソテリック株式会社
[企画・協力]東京電化株式会社


商品名:ジョージ・セル、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ピラール・ローレンガー(SACD)ベートーヴェン:劇音楽《エグモント》、交響曲第5番《運命》


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