区切りを学ぼう
なんやら堅苦しいタイトルですが、内容は堅苦しくないです。
たとえば48小節ある曲を作るときに、一気にサンプラーを叩いて48小節記録してしまう。なんてことはしません。
そんなことしたら後の手直しもめんどくさいです。自分の直したいのはどこの小節か・・・探すのも一苦労ですね。
そこである程度区切って、最終的にそれをつなぎ合わせるという手順で曲を作っていきます。
その区切りには、それぞれ名前や役割があるんです。それを分かっておくと曲作りがスムーズにできるとおもいます。
サンプラー購入前の方も、イメージを沸かしてみてください。まずは下の図をご覧ください。
こんな感じで、ソングの中にいくつかのシーケンス、シーケンスの中にいくつかのチャンネル、チャンネルの中にプログラム。となっています。 分かりやすいように、一番小さい単位である、プログラムから説明していきたいと思います。
プログラム
これは言わば絵を描くときのパレットのようなものです。どこにどの色の絵の具を出すのかと同じように、どのパッドを叩けばどの音がどんなふうに出るのかという情報がプログラムです。
各パッドへの音の割り当てのほかに、パッドを叩いたときの最大音量や、音質などを各パッドごとにいじることができます。
ちなみに、MPCの本体を見たところ、パッドが16個しか見えないので16個の音しか扱えないように見えますが、バンク切り替え機能があり、最大64個のパッドがあつかえます。
各プログラムには任意の名前をつけることが出来ます。
チャンネル
これはMTRで多重録音をするときのチャンネルと同じようなものと思ってください。MTRで録音すると、ギターだけ録るチャンネル、ドラムだけ録るチャンネル、と分けて録音して、最後にすべて重ねて聞くことが出来ます。別々のチャンネルにとってあるので、あとからギターだけ録り直したいななんてときも編集が楽です。
MPCのチャンネルも似たようなもので、ドラムのキックだけを打ち込むチャンネル。スネアだけを打ち込むチャンネル。ハットだけを打ち込むチャンネル。という風に細かく分けていくことが出来ます。ひとつのチャンネルにつきひとつのプログラムを割り当てられます。
曲を再生しながら各チャンネルをボタンひとつでミュートにしたりソロにしたり出来る機能があるので、リアルタイムで曲の展開をつけたり、トラック製作時に曲の展開のカッコいいポイントを探すのにも役立ちます。
もちろんひとつのチャンネルにすべてを打ち込むことが出来ますが、後からの編集が大変になりますし、前述の機能が使えなくなるので、細かく分けたほうが無難です。
各チャンネルには任意の名前をつけることが出来ます。
シーケンス
これは曲の一つ一つの区切りとなる単位です。曲にはイントロ・Aメロ・Bメロ・サビ・間奏などと呼ばれる単位がいろいろありますね。MPC上ではそれをシーケンスとして扱います。
最初にも言いましたが、長い小節を扱うのはとても面倒です。そこで8小節(各シーケンスの長さは任意に変更可能)などに区切って製作していきます。
基本的にダンスミュージックはループの集まりの音楽ですので、ひとつのシーケンスがある程度完成したらそれをコピーし、鳴らすチャンネル、鳴らさないチャンネルを各シーケンスごとに決めることで、バリエーション豊かなシーケンスがいくつも出来ます。
作る楽曲にもよりますが、そうやって作ったほうがひとつひとつのシーケンスをゼロから打ち込むよりスムーズな作業が出来ます。
各シーケンスには任意の名前をつけることが出来ます。
ソング
これは一番大きな単位です。MPCにはソングモードという機能があり、そこでどのシーケンスをどの順番で再生するか決めます。
たとえばイントロの次にAメロがきてBメロがきてサビがきて・・・というように自分が作ったシーケンスを並べていきます。そして再生することで曲の頭から最後まで聞けるわけです。
このモードでは、そうやって決めた順番を、ひとつのシーケンスにまとめることも出来ます。
各ソングには任意の名前をつけることが出来ます。
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