第2回目はPAでは坂本龍一・ヨーロッパツアーのPA、レコーディングではBACK DROP BOMB,HUSKING BEE,Kyoto Jazz Massive,など幅広いジャンルを手がけるなど大活躍の間瀬哲史氏にエンジニアになったきっかけや生い立ち、心得などいろいろと聞いてみました。 インタビューワーとして、 ALTO小町氏を迎えております。
PAを始めたきっかけをお教えください。
私は現在の音響業務としては、レコーディングを中心にPAエンジニアとしても活動させて頂いていますが、元々は出身地の愛知県にあった小さなPAカンパニーに携わった事が”音”を仕事とする第一歩となりました。
当時は素人バンドもやってはいたのですが、どちらかというと元々楽しいイベントを企画したり自分の欲しい機材を作ったりとどちらかというと音楽のベースを支える側に興味を持っていました。
高校生の時からアルバイトでPAカンパニーのお手伝いをさせてもらいながら卒業とともにそのままその会社に就職しました。
間瀬哲史(敬称略)
高校生の時からPAに携わりそのまま就職できたとは凄いですね。
正直毎日が楽しくてしょうがなかったのですが音源として残るレコーディングに興味がわき、上京し音楽制作を基礎から学びました。このような経歴なので他のPAを専門に行っている方とは少々違う視点でPAをさせていただいているのだと思います。
というのは、異論を唱える方もいると思うのですが、演者が音楽をお客さんに届けるという意味では、手法は違ってもレコーディングも、PAも機材開発も基本的には同じ目的をもっているので僕にとってあまり区別していません。
間瀬哲史
レコーディングもPAも基礎は一緒ですからね。PAの楽しさ、難しさを教えてください。
演者さんがどんなに素晴らしいパフォーマンスをおこなっていてもPAがちゃんとしていなければお客さんにはちゃんと届きません。リスナーに舞台の上でおこなわれているパフォーマンスをそのまま忠実に伝える。それこそがPAの楽しさであり難しい部分かも知れません。
間瀬哲史
簡単そうでなかなか難しい事であり大変なことですね。では、PA初心者への心得をお教えください。
FOH(オモテの音)に関してだけ言えば基本的にちゃんとしたチューニングを施しあとは「誰よりも演者さんの気持ちに近いリスナー」という立場で決しておごらず思いのままにミックスすれば良いと思います。
モニターに関しては演者さんの立場になって今何が必要なのか、モニタースピーカーから何を返せば演奏しやすいのか、常にステージにいる演者さんに注視してミックスをする事が大事だと思います。モニターマンこそ腕の見せ所満載だと僕は思っています。
間瀬哲史
モニター(舞台上で各演者さんが演奏しやすいようにモニタースピーカーに音を返すこと)こそ大事ですね。しっかりモニターできないと良い演奏ができるわけがないですから。PAをするうえで便利グッズはありますか?
仮設でのSP設置の場合エアコン用の両面防振ゴムを複数用意しておくと床面に対して安定した設置が出来るのでオススメです。
間瀬哲史
これは便利ですよね。安定した設置はもちろんイヤな共鳴も軽減できます。PAをやるうえでトラブルを回避するには対策はありますでしょうか?
なるべくスピーディーに綺麗に結線する事だと思います。
これはレコーディングでもPAでも僕が常に気をつけている部分です。
→接続のミスをしにくくなる。気づきやすくなる。
→トラブルシューティングがしやすくなる。
→演者さんが気持ち良く演奏できる。つまずいてケーブルを引っ張られる事も少なくなる。
と、良い事尽くめです。
出来る事なら、電源、入力、出力となるべく分類しておくとさらに便利です。
間瀬哲史
結線が汚いとちょっとガッカリします。ちなみに私は綺麗な結線の美学みたいな事を心がけています。では、聞いていて疲れない音とは?
必要以上に大きいとか攻撃的な音はあまり好きでないです。
間瀬哲史
適材適所に合った音をリスナーも求めますからね。良くないPAとは?
どんな規模でも演者とリスナーの橋渡しをちゃんとできていないと思ってしまうようなPAは残念な気持ちになります。
間瀬哲史
PA初心者の方への注意点をお教えください。
何よりもまずは安全だと思います。以外と安全が二の次となっているのではないかと思ってしまう現場が残念ながら非常に多く見られます。電源の確保は正しくおこなわれているのか、スピーカー等は倒れないようにラッシング(スピーカーをラッシング・ベルトで固定すること)等の固定は出来ているのか、音のその前段階の部分をちゃんとやってからこそ音に集中して楽しめるのだと思います。
間瀬哲史
事故やケガをしてしまうとイベント自体にも影響がでますからね。間瀬さんご自身もALTO Professionalの機材をご使用いただいていますが、印象はいかがでしょうか?
弊社の運営するライブバー「crossing」にZMX124FX USBをメイン卓として導入させて頂いてます。この価格帯では考えられない位の音質と機能をかねそなえており非常に使いやすいです。また、弊社で参加させて頂いているイベント「太陽と星空のサーカス」にも協賛して頂いており様々な場所で活躍しております。スピーカーも非常にしっかりと作られており初心者でも扱いやすいモデルがそろっていますのでぜひお試しください。
間瀬哲史
ZMX124FX USBの詳細情報についてはこちら
ありがとうございます。確かに価格はお手頃ですが、音質と機能は妥協していないです。PAをやるうえで常に心がけている事はありますか?
これは僕への戒めでもあるんですけど。
常に初心を忘れずに、
丁寧なところは丁寧に。
大胆なところは大胆に。
つねに新しい事へのチャレンジを忘れずにPAを楽しんで出来ると良いと思います。
間瀬哲史
最後になりますがこれからPAをやってみたい方、PAエンジニアを志す方にコメントをください。
ALTO Professionalのようにしっかりとした機材が安価に入手できる時代なので、個人レベルでも機材を所有してPAを始められるということは非常に幸運なことです。あとはどれだけその機材を最大限に活かしていくかだと思います。毎回同じ事だけを繰り返していてもなかなか向上はしないと思いますので。疑問を持つこと、意見を聞く(リサーチする)ことそして先ほども話しましたが何か一つでも新しい事にチャレンジすることを続けていっていただきたいです。
間瀬哲史
ありがとうございました。
レコーディング/ミックス/PAエンジニア。1992年にPA会社に入社。1994年に某プロダクション所有のレコーディング・スタジオに勤務した後、コロムビア・スタジオ、レンタル・スタジオ等を経てフリーランスとなり、2003年8月に有限会社セカンドドリップを設立。現在は、スタジオ「cafe2st」を拠点とし、レコーディング/ミックス・エンジニアとしてさまざまなプロジェクトに参加する一方で、音響機材の開発/製造や音楽スタジオのプランニング/施工、さまざまな方向から音楽制作環境作りのサポートを行っている。
もちろん動画でも解説させていただいてます!解説動画以外にも、実際に使っている様子や関係者へのインタビューもあります!!
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インタビュー企画、PAマエストロ達に学ぶ。第1回目のDUB MASTER Xに続き第2回目は、間瀬哲史です!!
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