Talking about "PA" featuring "Dub Master X" -Mic of Electro Voice-

Dub Master X

PAという立場と仕事。

ようすけ管理人

オタイレコードようすけ管理人でございます。最近はエレクトロボイスのスピーカーがテーマということが多かったですが、今回はマイクを特集したいと思います。ということで、メーカーのエレクトロボイスの小町さんをご紹介致します。

小町康之

よろしくお願いします。小町です。

ようすけ管理人

そしてもうお一方、スペシャルゲストのDub Master Xさんです。
よろしくお願いします。

Dub Master X

よろしくお願いします。

ようすけ管理人

ダブさん、数年前になるんですが小町さんが前の会社におられた時にPAセミナーやられましたよね。

Dub Master X

あーやったよね~。まぁ本質的なことを言ったんだけど。まぁ、本質が一番難しいっていうね。

小町康之

そうですね、言葉で表せないことばかりですからね。

Dub Master X

うん、難しいよね。音は見えないからね。

ようすけ管理人

今日は、WEBインタビューということなんですが、前回ご登壇いただいたりだとか、WEBインタビューをさせていただきましたがもう7、8年くらい経つんですね。

Dub Master X

もうそんな経つの~早いねぇ。

ようすけ管理人

それ以来なんですが、DUB Master Xさんはさまざまなライブ、PA、お仕事としてはそちらが中心となっているんですかね?

Dub Master X

そーですね。DJはもうお声がかからなくなってきたし。

ようすけ管理人

お声かけていいんですか?(笑)

Dub Master X

でもお声かけてくれても暇がなさすぎちゃって、昔だったらまだコロナの時期に家帰ってDJプレイとか配信でやってたんだけど、やっぱりもう手が錆びてて、現場でバリバリやってた頃よりは判断が鈍い。人が聴いてれば、そんなことないよって言うかもしれないけど、自分の中ではすり合わせができてない、やろうとしていることとやれることが合致していないんで、こんな状態じゃ人に見せられないよなっていうのがあって。そんなことよりも、俺が粘るよりかは、下の子達がどんどんやった方がいいなと思って。もう頑張ってDJですって顔はしないようにしてる(笑)だから今はPAの方が忙し過ぎて暇がないよねー。

ようすけ管理人

そんなお忙しい中お越しいただきまして本当にありがとうございます!
ダブさん、一週間のルーティンみたいなのはありますか?イベントは週末の方が多いような気がするんですが。

Dub Master X

イベントもそうだし、ツアーとかライブをきるっていうときは、週末は取り合いになるんだよね。ほんとだったら、集客がとれるビックアーティストは平日にやるべき。平日にして開演を遅くするとか。例えば平日でライブハウスとかだと19時スタートが多いけど、
海外なんかだと21時とか22時スタートが多かったりするじゃない?

ようすけ管理人

え?そんな感じなんですね!!

小町康之

そうなんですよ、遅い時間が割と多いですよね。

Dub Master X

日本人は、遅い時間に遊びに行くってなったら酒飲み行くだけで、大人がライブに行って盛り上がることが無いんで、せいぜい18時開演とかそんな感じじゃない。
だからそういう人たち(ビックアーティスト)は時間をもうちょっと遅くして、平日にドンとやって、週末は週末でないとお客さんが来れないような弱小アーティストにあげればいいじゃない。何も週末にビックアーティストがやらなくても集客できるじゃんって思うよね。週末をビックアーティストから取っていくみたいな状況はどうにかしてほしいなとは常々思いますね。

ようすけ管理人

なるほどー。実際にコロナが明けて、街に人が多く出るようになって週末のライブハウスとかいろんな場所がパンパンになっていて、クラブとかコンサート会場とか中規模クラスが1年くらい空いてないとかあるんですよね。

Dub Master X

そうそう。公共のホールとかは1年前から取り合いになるんですよ。そうすると大きいイベンターとかはどんどん取っていくし、更に大きいスタジアムとかドームになると、他のスポーツイベントがあるから、その兼ね合いがあって押さえるのが至難の業となるし大変ですよ。再来年のスケジュールで押さえなきゃならない時は生きてるか分からないですよって話だよね。お仕事としてはそんな先まで押さえられて有難い話ではあるけど、そこまで押さえなきゃできないって大変だなって思うよね。

ようすけ管理人

病気もできないですよね。僕も会社やっていて、そんな再来年とか言って会社あるかどうかも分からないですからね。

Dub Master X

そーでしょー。なのに再来年のスケジュールとか言うわけよね。今僕がレギュラーで抱えてるアーティストは6?7組あるんだけど、コロナの最中も動いていた人たちもいるじゃない?やっぱそういう人たちはその時期も一生懸命頑張っていたから、そういう人たちを優先したいんだけど、スケジュールに関しては早い者勝ちだから。だけどその一生懸命頑張ってた子たちに限って3カ月先くらいのスケジュールくらいしか決められないから、半年先とか1年先なんてそんな予定立てられないわけで、心情的にはやってあげたい気持ちはあるけど早い者勝ちというところでスケジューリングは大変ですよ。

ようすけ管理人

コピーロボットでもいればいいんですけどそんなわけにもいかないですしねー。

Dub Master X

そうなのよ。うちらの商売ってDJもなんだけど、結局歯医者さんと一緒なのよ。腕のいい歯医者さんって代わりは利かないんだよね。代わりを頼んだ時に僕がやっていることの9割とか8割できればOKですっていうのは、それぐらいはできると思うんだけど、9割5分まで行きたいんだよねっていう話だと代わりが利かないし、そこのところで差が出るんだよね。

小町康之

ダブさんに声をかけるという時点でプラスアルファの要素を求めますよね。

Dub Master X

いや、俺より上手い人、いい音出す人はいっぱいいるんだけど、俺の音を出せるかっていうと出せないわけよ。職人さんと一緒で、同じ材料を使っているのに違う味がでるとか、同じ機材使って同じようなスタッフがいるのに、なんでそんな音になるんですかって言われてもそれを数値化できないし何かアクションがあったときのロジックが伝承できないのよ。誰かが俺の代わりをやってくれて、分身のようにみんなでチーム作って大きな仕事やってこうよってなことも考えたけど、無理。できない。代わりのトラを立ててこの人行かせますってやっても、まぁ、なんとかうまくやれましたよーってな感じになる。僕の代わりの人が行って、あの人サイコーだねってなったとしたら、その人にやってもらえばいいじゃない、相性良かったんでしょってなるし、俺は全然譲りますよってつもりでやるんだけど、なかなかそうはなってくれなくってね。ほんとに特殊なこと何もやってなくて。
DJもそうだしPAの時もそうなんだけど、仲間内のエンジニアが現場とか見にきて、何やってるんですか?って言われて卓全部見てください、どうぞ、何もやってないんでって伝えて一通り見ていくんだけど、ほんと何もやってないですねってよく言われるわけ。ほんとこれだけ!?何もやってないんですか?プラグインは?って、いや、入れないよね、別に。って感じになるんだけど、ほんとに俺の代わりにやってくれる人がいたらどんどんやってほしいし、だけどなにもやってないから教えようがないし、これを入れたらこうなるんだぜみたいな話はできないわけよ。

ようすけ管理人

何もやってないと言いますが、ダブさんの音というのは存在するわけであってなんかあるんですよね(笑)

小町康之

ミュージシャンからしたらダブさんにミキシングしてもらえるっていうのが凄いことですよ。

Dub Master X

いや、それが逆にそういう風に思わないでって。

小町康之

ダブさんはそう思うんですね。

Dub Master X

舞台を作っている中では対等だから、対等に言い合おうよ。俺はとにかくみんなのやってることを拡声するだけだから、大きくしていくときに何か問題があったときにこっちで何かをあっちゃこっちゃいじくるんではなくて、根本的な何かを変えようよ。例えば、ギターアンプの音をちょっとハイがきついからもうちょっとこうした方がいいよねとか、ドラムの音がこうだからもうちょっとミュートした方がいいかもねとか、やりとりをしてるだけなの。こっちはフェーダーでバランスをとってるだけ、極端なEQもしない。EQはすればするほど形が歪になると思ってるのね。必要な時は勿論するんだけど、ミュージシャンが出してる音を例えば丸だとしたら大きい丸にしたいわけよ。でもEQだプラグインだってやると、音がブンって出るんだけど、なんか歪な形になってでてくるっていうのは、俺は好ましくないなと思っていて、意図的にそういう風にしてっていうときはするけど、そうじゃない時はミュージシャンの各楽器から出てる音っていうのが一番大事だと思っているのね。
歌う人にとっては、自分の声、例えばコンプをかけてEQをこういう風にしてとかあーだこーだやるよりも、まずその喉を鍛えようとか。小さい声でもいいけど、小さい声でもちゃんと届く声ってあるんだよね、っていうのは、PAの仕事をしないときでも、お芝居の仕事とか舞台の仕事の時はマイク使わないじゃん。同じ声で同じ役者さんが何人もいる中で、この人小さい声でしゃべってんのに後ろまですっごい聞こえるとか、大きい会場行くと、ピンマイクつけてしゃべってたりするんだけど、この人の声は通るのにこの人の声は通らないよねっていうのがあるのよ。いわゆる、声をちゃんと鍛えているか、活舌を鍛えているか、そういう練習をちゃんと積んでいますかっていうことが圧倒的な差になるわけよ。それって楽器の音をどういう音で出したいっていうのと一緒なんだよね。そういうことを少しずつミュージシャンの機嫌を損ねないように一緒に考えていこうよって、俺も何もかも答えが分かっているわけではないから、こうしてみたらどうかなとか、こうやったらやりにくくないかなっていうことを常にミュージシャンとやりとりするわけよ。
それの結果が音として出てるだけで、そういうことをすっとばして、なんかミックスだけで力技でねじ伏せようとしてもできるわけがないんだよ。

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