Talking about "PA" featuring "Dub Master X" -Mic of Electro Voice-

Dub Master X

DUBさんに聞いた宅録で買う初めてのElectro-Voice

ようすけ管理人

なるほど、ありがとうございます。
ちょっと、ダブさん、僕からいいですか?

Dub Master X

はい、どうぞ。

ようすけ管理人

音の聞き方の質問を僕させてもらいたくって。その、PAでやってますと、何をあげるだとか、あと全体的なダイナミクスから周波数帯域とか、普通に左右の耳で入ってきた音に対して、どういう音を聞き方をしているのか。例えば、低域はこれぐらいなのか、それと分解して聞いているのか、それとも楽器別でバーッと聞いているのか、それとも、全体の感性を大事にされているのか、まあ、段階があるんでしょうけど。

Dub Master X

全部かな。

ようすけ管理人

やっぱり全部なんですね。

Dub Master X

もう全てを、その、瞬間、瞬間に考えているのかな。

ようすけ管理人

ということですね。それを鍛えるには、いろいろ経験をしたり、試行錯誤したりをしたり。

Dub Master X

そうそうそう、今こういう感じに鳴ってて、大体コンサートでも何でも行って、バーンと始めて、まあここまでを長いことやってきているので、単音のチェック終わって、バーンと、始めます、ドンと音出た瞬間に、8割方はOKなわけ。もう、8割方OKぐらいで作れないと、フェス行って、乗り込みでできないから。だって転換30分で、どうぞって言われるわけじゃん。30分の間に音作んなきゃいけないわけじゃん。

ようすけ管理人

そうっすよね。

Dub Master X

それって、無茶なことやってるわけじゃん、フェスって。だって普段だったら会場に入って、機材セット、楽器セットして、その後に1時間ぐらいPAのチューニングして、単音1時間ぐらいやって、その後リハーサル2時間ぐらいあるわけじゃん。それ全部を30分でやる。だから、本当にめちゃくちゃなことやってるんだけど。でもその30分の中で、じゃあ10分でこう。まあ、転換で機材がはけて、次の楽器がライザーに乗って出てきます。っていうところまで、せいぜい10分ぐらいあるわけ。遅くても早くても10分ぐらいになるわけ。その10分の間に、表でチューニングするわけじゃん、スピーカーの。ワンツーって言って、ワーってやって。そこの10分の間にやって、卓の中の送ったデータを、
パッと見て精査して。10分の間に。で、その残りの20分の間に単音くださいって言って始まって。まあ、表はとりあえずやるから、モニター先に作んなよって。中は勝手にやらせておいて。とりあえず全員で中で演奏しといて、こっちで単音を勝手に拾って、で、ワーってやりながら。で、10分ぐらいで、単音、バーっと作って、揃えて。で、残りの10分ぐらいで、じゃあちょっと曲でやってみようかって言って、曲でやって、で、おしまい。

ようすけ管理人

もうその間だって、お客さんも待ってるわけですからね。

Dub Master X

待ってるわけよ。

ようすけ管理人

凄いですね。それ、でも何かダブさんのSNSとか拝見してると、結構フェスのPAやられてるじゃないですか。大変というか、嫌ではないんですか?

Dub Master X

いやいや、それはもうみんな文句言ってるんだけど。

ようすけ管理人

文句言ってる(笑)

Dub Master X

スタッフ周りはもう全員文句言ってるんだけど。やっぱりね、そのステージが一つしかなくって、卓が2枚A/Bボードある時もあるんだけど、1ボードしかなかったりすると、前のバンドが終わるまでボードはいじれないわけじゃん。

ようすけ管理人

あ、そうか。A/Bボードでする場合もあるんだ。なるほど。

Dub Master X

そう、A/Bボードがあると、こっちがやってる間に、まあ、要はこっちの卓の前のバンドが終わったら、このボードは俺が使えるわけ。だから隣の卓で前のバンドがやっている時に卓の中のデータ整理して、いろいろわーっと、事前にできるんだけど、1ボードっていうのもあるから。1ボードだと、前の人が終わるまで何もできないわけ。

ようすけ管理人

恐ろしいですね。

Dub Master X

恐ろしいですよ。
それでやれってことですよ。
これがステージがいくつもあってさ、インターバルが、次のバンドが終わってから次まで1時間あります、というのが本来の姿。本来あるべき姿なんですね。1時間あれば何でも大体できますって。だけどこれがさ、ステージが1個しかなくっていっぱいバンド詰め込んで、いろんなバンド詰め込むことでお客さんを呼んで、やりたいとか思うと、転換30分とか、15分とか言うわけよ。そうすると、いいかげんにしろと思うわけよ。そんなの15分でできるわけねえだろって。

ようすけ管理人

いや、そうっすよね。今の話聞いてたら。

Dub Master X

思いながらやったりするけど、DJからDJに変わる時って、5分とか言う時あるからね。

ようすけ管理人

いやぁ、ちょっと。

Dub Master X

まあ、そういうような短い時間で、ある程度の、まあとりあえず80点以上はまずその時間でできないと話にならないから。だから、まずそのさっき言った話じゃないけど、パッパッパッパって作って、じゃあリハ始めますよって、ドンと音が出た瞬間に8割方できてる。で、できてる中で、こうやって聞いてて、こっから上に行くにはどうしたら、どれくらい米研ばいいんだろうなって話になってくるわけ。そうすると、リハの時間これくらいあるよなーとかって、そういうのを考えながら、で、これは果たして俺のミックスの問題なのか、スピーカーのシステムの問題なのか、どっちだろうってことを考えながらやるわけ。で、そのスピーカーのシステムって言っても結構複雑だから、今。まあ、そこは物理の話になるんで、システムエンジニアと、これこういうところが気になってんだけど、どう思う?みたいなことをやりながら。で、その全体の聞きながら、部分部分っていうのを聞きながら、ベースのここのところが気になるんだよね、とかいうと、これは俺の問題なんだろうか、システムの問題なんだろうか、そういうのを常に考えながらこうやっていくわけ。 だから全体も見るし、細かいところも見るし。

ようすけ管理人

それをいかに瞬時に正確に判断できるかっていうのができないと。

Dub Master X

フェスなんかも、すぐ終わっちゃうからね。なんかそんなことやってるうちに終わっちゃうって。

ようすけ管理人

なるほど。確かに言われてみたらそうですね。だから見に行く方はもう、何の気なしにね、わーってやってるけどとんでもない。

Dub Master X

そうそうそう。だからデジタル卓になってさ、みんなそのデータを持ってきて、卓に流し込んで、前使ってたデータでしょって、インプットも一緒でしょって。ってやったって、同じにはならない。それは何故かというと、その場所が違うから。スピーカーのチューニングが違うから。この状況で前の卓のデータが良い音になるとは限らないわけ。まあ、ほとんどならないわけ。

ようすけ管理人

ならない、なるほど。

Dub Master X

そうすると、EQでいろんなことをやったりとか、プラグインでいろんな音作りをしてる人は、困るわけ。その都度、同じ状況を作れないから。だから俺は、基本的にプラグインとか外付けプラグインとかも一切使わない。EQも、オーバーEQ全然しない。基本的にハイパス、ローがいらないものならハイパス入れる、以上終了みたいな。ふうにやって、バランスでいい音が作れるようなことでやってれば、短時間でできるわけだ。事故んないわけ。

ようすけ管理人

うん。なるほど。

小町康之

事故んないためって重要ですね。

Dub Master X

そう。だからこれが、ツアーになれば、同じ機材をずっと持ち回って、40本とかやりますっていう時は、いろんなこと細かくやるよ。もっと細かく詰めてるけど、そうじゃないことも多いので。だからさっきの話だと、とにかく全部なんでも全部聴いてる。全部聴いて全部の中から何がプライオリティ高いんだろうっていう、ことを、自分の中で精査していく。

ようすけ管理人

やっぱりもう、動物的なところがあるんだろうな。

Dub Master X

うん。だからこれ、今これも、いろんな解決しなきゃいけないことっていっぱいあるじゃん。いっぱいある解決しなきゃいけないことの、どれを取ることがまず一番大事なのかなっていうのを常に考えるっていうことですね。サバイブするためにはどうしたらいいかっていうのが。そんなことやってるよりも、こっちの方が大事っていうことを常に考えてる。

ようすけ管理人

そういうことですね。
いやあ、ありがとうございます。

Dub Master X

そう。だからやっぱり、歌があるような演目とかだと歌がちゃんと聴こえるっていうのも、とにかく大前提だよね。いくら良いバンドの音だな、迫力のある音だなって言ったって、そういうのは関係ないです。歌が聴こえなかったら、お客さんも歌聴きたいわけだから。だから、これが一番じゃん。だから、これをちゃんとクリアするためにどうしようかっていうことをまず考える。

ようすけ管理人

順序を誤っちゃうと、ぐしゃぐしゃになっちゃうんですか。

Dub Master X

そう。だから良い音、だからそういうエンジニアのエゴで、いや、ドラムの音こうしたいとか、ドラムもっとこの方がいいとかってもちろんあるけど、いや、まず最初こうやって、で、そっからどんどんどんどんこう、他のところにこう、プライオリティ高い順からこうやっていく。それが大事。

ようすけ管理人

何をこう大事にし、しなきゃいけないかっていうのは、なんとなくでもこう決めとくと、パパッと落ち着かしやすいですよね。

Dub Master X

そう。何が一番重要なことですかっていうのを考える。

ようすけ管理人

うんうんうん。なるほど。

Dub Master X

それから、次の重要なこと、その次の重要なこと。こうやってるの。でもね、結構これができない人が多いのよ。あの、今そのことやってる場合じゃねえよっていうことをやってる。一生懸命やってる人が意外に多い。まあ、それはどの仕事でもずっと一緒だよね。

続きを見る

Electro Voice
↑Electro-Voiceマイクの製品はこちら