Talking about "PA" featuring "Dub Master X" -Mic of Electro Voice-

Dub Master X

DUBさんに聞いた宅録で買う初めてのElectro-Voice

Dub Master X

で、そういうフラット至上主義ってのは、どうでもいいと思ってるのね。音を聴いてんだからなんかグッとくるのが正解なの。絶対に正解なのそれ。それを測ったらデコボコでも正解なの。湾岸ミッドナイトで北見淳も言ってたけど、湾岸ミッドナイトは読んでない?

ようすけ管理人

いや車のやつですよね 読んでないですけど。

Dub Master X

北見淳が言ってたけど、ブラックバードが最近走りの艶がねぇみたいなさ、速いんだけど走りの艶がねぇって言って、北見淳がちょっと大阪まで軽く飛ばしてもらおうかみたいなさ大阪までブーって行くんだよ。それで大阪にシゲっていうのがいた。こいつは昔バブルの頃東京に出てきて、バクチにのめり込んで東京を捨ててまた大阪に戻ってマフラー作ってるやつがいるんですよ。そいつんとこに連れてくるわけ。それでマフラーを作るわけ。シゲちゃんに作ってもらうわけ。それでシゲちゃんもいい歳になって、なんかこう欲をかいたマフラーを作るわけ最初に。で作って性能が良くて吹き上がるんだけど、これはシゲの音じゃねぇよなみたいなことを北見淳に言われて。なんか色気出したなみたいなこと言われたんですけど、じゃあシゲの音が欲しいんだよって言って。でシゲちゃんにもう一回作り直してもらって、それで大阪の首都高を走ってそのまま東京に帰るわけなんだけど、なんかもの凄いやる気になるみたいな、なんかアクセルが踏めるみたいなっていう物語のくだりがあって。 それで東京帰ってきて北見がトミナガスピードと一緒に測定するわけ。そのマフラーで測定するとデコボコで全然ピークパワー落ちてますねみたいなさ。でもこれ何でこんないい音するんですかねっていう話があって、じゃあこの次の勝負にはどっちのマフラーでいくみたいな時に、全員がその音のいい方を選ぶっていうさ、やる気になる方を選ぶみたいな。

ようすけ管理人

ヤンさんの話もそうだしそういうことですよね。

Dub Master X

だからその人がその気になれるものであればいいんだよ。

ようすけ管理人

っていうことっすよね。

Dub Master X

っていうことなんですよ。だからね湾岸ミッドナイト読めって。あれはね本当に人生のバイブルだから、いいことばっかり言ってるから本当に。

ようすけ管理人

僕、車遍歴は全然関係ないんですけど、アルファロメオのスパイダーがナンバーワンに好きで、インプレッサーのWRXやそういう速いのとか結構好きなんですよ。WRXも乗っててそっちの方がやっぱ全然速くて、余裕で峠とかも凄いんですもん。なんだけど、もうねアルファロメオ乗ってるとエンジン音が音楽になってて逆にカーオーディオも聞かなくなっちゃって。

Dub Master X

でしょ。

ようすけ管理人

だからそのシゲの話は凄いわかりました。

Dub Master X

湾岸ミッドナイトは一回全巻買って、最初から読み直すと、本当に人生訓みたいな。こうだよね、エンジニアってこうだよね、みたいな。泣ける。だから、やっぱりその感性を信じた方が良いね。

ようすけ管理人

そうですね。

Dub Master X

だって音楽だもん。感性でやってるものを聴くのに、測定値を絶対と信じる必要はないんだよね。

小町康之

そうですよね、それでなんかその通りにしちゃったら。

Dub Master X

それはね、雑誌を見てね、同じツマミの設定したりすれば同じ音が出るって思ってる人と一緒なんだよね。

ようすけ管理人

なんで日本人はフラット至上主義なんですか?怖いんですか?自分の耳を信じることを。

Dub Master X

それは、遡ればやっぱ学校教育から始まってるんだろうね。個を大切にしない、集団で、集団の中から個性があると弾くじゃん。だけど、個性がある子はそのまんまでいいわけじゃん。みんなが共通でこれがいいですってやって、やる必要はないわけじゃん。そういうような教育をずっとされてるから、飛び抜けることが怖いわけ。みんな、他の人と違うってことが。みんなと一緒だと安心する。そういうのが。

ようすけ管理人

あるんですね。

Dub Master X

そう、だから自分がいいと思ってればそれでいいじゃんっていうことが言えないから、そのよりどころとして測定値を盾にする。測定でこうなってれば間違ってないって。だからそういう人は数値を信じて、聴いてればいいんだよね。

ようすけ管理人

まあ、そうですね。

Dub Master X

そう、それでいいじゃん。だって自分が好きな音にすればいいじゃん。だってそういうお金もあって、そういうものが作れるんだったらそれでいいんじゃない。人と違っていいんだよ別に。フラットである必要はない。何もない。

ようすけ管理人

個性っていう意味でいくと、僕、いとうせいこうさんのライブ聞かしてもらった時に、ダブさんがやってたじゃないですか。その時に、エフェクトみたいなのをバンバンかけたりとかされてるじゃないですか。ああいうのって、まあ、なんていうんですか。ダブさんのあれによって、全然聴こえ方が当然変わってくるわけじゃないですか。すっごいプレッシャーだと思うし、どこまでかけていいんだろうっていうのとかもあると思うんですけど。どうやって突破していくっていうか。

Dub Master X

それはあの、好きにやってるから。(笑)好きにやるっていうか。例えばこういう肉をダーンって用意してきました。肉ですと。これをどう食べたら、どういう料理をしたら、この人たちは喜んでくれるだろう、驚いてくれるだろうと考えるわけじゃない?

ようすけ管理人

はい。考えます。

Dub Master X

ただ、この人には肉に塩コショウだけの方が良いのかな?
いや、焼きすぎない方がいいかな?っていうことを、いろいろ考えながら。でも、俺は、これをこういう風に焼いて、こういう料理をして、食べたいなって思うことをやってるだけ。

ようすけ管理人

なるほど。

Dub Master X

今この演奏をしたこの瞬間に、こういうことになったら、かっこいいに違いないみたいな。

ようすけ管理人

僕、全然ダブさんとは規模も何も違うんですけど、あるDJの人がいて、僕が横で、ディレイ、リバーブ、マルチバンドのフィルター、ハイパス、ローパス、いじってやってたことがあるんですけど、やりすぎとか言って怒られたことがあって。

Dub Master X

やりすぎはいいんだよね。やりすぎだよって言われたら、じゃあ、ちょっと次は抑えれば、ってできんじゃん。

ようすけ管理人

そんな、シンプルでいいんですか。

Dub Master X

で、やらなすぎて出てこないものは、何も起こらないのよ。だからやりすぎだって言われるぐらいがいいんだよ。

ようすけ管理人

なるほど。言われて、なんぼなんだ。いや、先輩だったんですけど、その、怒られたのが。僕がちょっと、やらかしちゃったなと思って。その先輩がいる度に何か凄い意識しちゃってて。

Dub Master X

やらない方が、何にも気づけない。
やって怒られて、なんぼ、みたいな。

ようすけ管理人

あぁ。そういうことですね。

Dub Master X

そう。で、そういうことをどんどんやっていくと、やらないことの美学みたいなこともまた出てくるわけ。じっと、じっと、じっとやってって、最後、ドン!みたいな。の表現としてある。だから、表現活動なんだよね。そう、エフェクトをするっていうのは、こう今、鳴ってるこの音楽、例えばDJだったら、DJのこの曲を、ここで、ローカット、パン入れたら、次戻ってきたとき上がるよね、とかさ。戻ってきたときに上げ方はどうすればいいかな、とかさ。パンって戻すのがいいのか、じわじわ、じわじわ戻していくのがいいのか。でも、本当は、その、じわじわ、じわじわ戻していくときに、ボリュームコントロールもしたいよな、とかさ。ってことを瞬時に考える。だから、そのインスピレーションだけなんだよね。だから、思ったこと、とにかくやっていくしかない。怒られてもやるしかない。

ようすけ管理人

凄い。せいこうさんさんがリーディングをするんですけど、その時の、どこで、どのタイミングで、ディレイとかリバーブをかけるのか。かなりアグレッシブになってたし、リリックの内容にも合ってるし、すっげえなとか、あの時にも俺は絶対できないと思っちゃって。まあ、当たり前なんですけど。

小町康之

ダブさんって、ダブってどのくらいの比率で事前に考えているんですか?

Dub Master X

全部リアルタイム、100%リアルタイム、100%インスピレーション。

ようすけ管理人

すげえ。

小町康之

構成入れずに?

Dub Master X

何もないもん。だって曲自体構成ないんです。何にもない。何にもないところで。だから、一緒に演奏してるのと一緒なのよ。

ようすけ管理人

いや、間違いない。

Dub Master X

演奏してるからこの人達の演奏を聴いて、ここでこういうことをやったらいいだろうなと思ってるときは手が動いてくるっていう。だって、それもさ40年やってるんだぜ。ずっと。40年やってるんだからそれはなんか、そういうのがいつまでだって下手だったらダメじゃん。まあ、でも最初から上手かったけど、そういうのが。

ようすけ管理人

そうですよね。最初から上手かったでしょうけど(笑)

Dub Master X

上手かったけど、でもそれは何でかっていうと最初から好きなことやってたから、勝手に。自分がこれを聴いて解釈して、自分がこうだっていうことを、ずっとやってた。自分の今の答えはこれですっていうのをずっとやってたから。それで、やっぱなんか今日、あそこんとこダメだったねって、なんか地味だったね、とかさ。そういうことも、若い頃とかあったし。だけど、何もやらなかったら何も始まらない。

ようすけ管理人

なんか、頑張って生きていこうと思いました。いや、言われたくないっていう思いを、やっぱ。

小町康之

いや、そりゃあね。

ようすけ管理人

いかにして言われないかっていう。そういうふうな思考がちょっと強いですよね、自分が。

Dub Master X

いや、だってさ。今、ようすけいくつになったの?

ようすけ管理人

47歳です。

Dub Master X

47歳でしょ。だからせいぜいさ、現場で頑張れるのってあと10年、20年なんだぜ。だって、俺だって今60歳だから、まあせいぜい10年ぐらいじゃん、とかさ。もしかしたら、10年より短くて、もうぽっくりいくかもなっとかって思うわけじゃん。そうすると、何でもやんないと時間もないわけ。もう、なくなっちゃうわけ、時間って。だから、人にどう見られてるとか、そういうことはとっても無駄。

ようすけ管理人

そういうことか。

Dub Master X

そう。それはもう、ただの自己顕示みたいなことだからね。知ったこっちゃねえよ、ってことだよね。だって、俺が良い音だと思ってこれ納品してんだからいいじゃん、それでって話。お客様に対しては、僕は良い音だ、最高の音だと思いますよね。OKって。

ようすけ管理人

なるほど。

Dub Master X

で、お客様が、そういうフラットがほしいって、じゃあ、フラットやってみましょう、やってみましょう、やってみましょう、って言って、僕も興味があるんで、ってやって、
ああ、グッと来ないですね?って言って、いや、フラットじゃない方がいいいんすねって言って、そういう、お互いにコミュニケーション取れれば、いいわけじゃない、それは、何か、すごくその、向上心があるっていうか、ああ、人間ってすごいねえ、とか言う感じ。

ようすけ管理人

そういうことですよね。ありがとうございます。いやー凄い、全然違う。

Dub Master X

楽しめばいいんだよ、音楽を。音を楽しむで。10人全て違うんだな、ってやるとその人を受け入れていく、寛容になってくる、人に対して。いいじゃんなんでもって。その人が嬉しくてやる気になったらって。

ようすけ管理人

そうじゃない人も音楽の世界に結構いたり。

Dub Master X

いるいる。それは年取ったからそういうのもなくなるとか、そういうのもないし文句ばっか言ってる人もいるし。

ようすけ管理人

でもそういうのに構うよりは、時間も限られてるからそういうのもいくしかない。

Dub Master X

そう

ようすけ管理人

いやー、貴重。

小町康之

あと、楽しむことを忘れがちじゃないですか、つい仕事でやってたりすると。

Dub Master X

会社に入って仕事をしてる人っていうのはやっぱまた大変なのね、僕らとは違う苦労があるっていうかさ。

小町康之

いやいや、でも僕はずっと思ってるんですよ。やっぱ音楽を楽しまなきゃってのを忘れないようにはしてるんですよね。そうすると必然的にそれが後押ししてくれることがある。今、ダブさんの話聞いてそれは間違ってないんだなって。

Dub Master X

そうそう、なんでも楽しいと思った方がいいじゃん。なんでもね。楽しんで興味を持ってやっていくっていうのが大事だよね。

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